
介護業界では少子高齢化に伴い、介護職員の専門性の高まりが求められています。
本記事では、介護職員としてのスキルアップやキャリアアップに効果的な研修について解説していきます。
介護職のスキルアップ研修とは何か
初めに介護職を対象としたスキルアップ研修とはどのようなものがあるのか、基本的な内容について解説していきます。
介護職のスキルアップ研修とは?
介護職のスキルアップ研修とは、介護技術や知識を向上させ、より専門的で質の高いケアを提供するための研修を指します。
介護業界は高齢化の進展に伴い介護サービスの需要が増加しており、従事者には専門的な知識や技術の習得が求められています。
研修を通じてスキルを向上させることは、キャリアアップにもなるでしょう。
介護職員初任者研修
介護の基礎知識を学ぶための研修であり、介護業界への入門資格として多くの人が受講しています。研修時間は130時間で、介護の基本知識や技術を学ぶ10科目のカリキュラムで構成されています。修了後は介護施設や訪問介護の現場で働くことができ、履歴書にも記載が可能です。
介護福祉士実務者研修
介護職員初任者研修の上位に位置する研修で、介護福祉士資格を取得するために必須の研修です。
初任者研修と比べ、より高度な介護技術や医療的ケアについて学ぶことが特徴です。
カリキュラムは20科目で構成されており、研修時間は450時間ですが、初任者研修を修了している場合は130時間が免除され、320時間の受講で済みます。
実務者研修を修了すると介護福祉士の受験資格を得られるほか、訪問介護事業所でサービス提供責任者として働くことも可能です。
各都道府県の自治体が主催するスキルアップ研修
各都道府県が独自に主催する研修もあり、地域によって日程や内容が異なります。
介護技術の向上を目的とした研修のほか、医療的な知識を学ぶ研修が実施されるなど、さまざまです。これらの研修は、介護職のスキルアップやキャリア形成に役立ちます。
詳細は各自治体のホームページなどで確認できる場合があるため、興味のある方はチェックしてみるとよいでしょう。
介護福祉士資格の取得後に役立つ研修
国家資格である介護福祉士を取得した後も、さらなるスキルアップのために開催される研修があります。ここでは介護福祉士資格の取得後に役立つ研修について、解説していきます。
介護福祉士基本研修
介護福祉士の資格を取得してから、実務経験が2年未満の人を対象とした研修です。研修期間は4日程度と、比較的短期間で受講可能です。この研修では、自立支援の考え方や介護職の役割、介護計画の作成方法などを学びます。基礎的な知識をより深めることで、根拠に基づいた質の高い介護支援を実践できるようになります。実務経験が浅い介護福祉士にとって、スキルアップの機会となる研修です。
介護福祉士ファーストステップ研修
介護福祉士の資格取得後、実務経験が2~3年の人を対象とした研修です。研修時間は200時間で、そのうち100時間は職場での課題実践や通信学習による履修が可能です。カリキュラムは「ケア領域」「連携領域」「運営管理基礎領域」の3つの領域で構成されており、専門的な介護技術に加え、チームリーダーとしての指導力や管理スキルを養うことを目的としています。将来的にリーダー職を目指す介護福祉士にとって、実践的な知識とスキルを身に付ける貴重な機会となる研修です。
認知症への理解を深める研修
介護現場において、もっとも関わることが多いとされるのが認知症利用者への対応です。認知症への理解を深めるための研修について解説していきます。
認知症介護基礎研修
認知症介護基礎研修は認知症の基本的な知識を学ぶための研修であり、研修は150分のeラーニングを視聴することで修了できます。2021年の介護報酬改定の際に、無資格の介護員に対して認知症介護基礎研修の取得が義務付けられ、2024年4月から完全実施されました。
認知症介護実践者研修
認知症介護実践者研修は認知症介護基礎研修の上位研修で、より実践的な認知症ケアの技術や考え方を学ぶことを目的としています。実習期間は開催場所によって異なりますが、数カ月間の間に講義(演習)が6~7日、自施設での実習が14~30日程度です。試験がない代わりに実習レポートの提出があり、内容が認められれば合格となります。
認知症介護実践リーダー研修
認知症介護実践リーダー研修は、認知症介護実践者研修の上位研修です。介護現場のリーダーとして、認知症ケアを実践・指導するためのスキルを学ぶ研修であり、実習期間は一般的に3カ月程度とされています。施設実習では自分だけでなく、同じ職場で働く新人職員も巻き込んだ実習内容となっているのが特徴です。試験はなく、全過程の受講およびレポートの提出で研修修了です。欠席・遅刻・早退した場合修了証が交付されないため注意してください。
活躍の場を広げる研修

これまでは主に、介護のためのスキルアップ研修について解説してきましたが、介護以外で活躍の場を広げる研修も存在します。
喀痰吸引等研修
介護職員が喀痰吸引や経管栄養といった医療ケアの技術を取得するための研修であり、以下の3つのレベルに分けられています。
- 3号研修:難病や重度の心身障害者など特定の対象者のみに実施可能(研修期間は2日ほど)
- 2号研修:不特定多数の対象者に実施可能。ただし気管カニューレ内の吸引、
経鼻経管栄養は除外(研修期間は2週間ほど) - 1号研修:不特定多数の対象者に全範囲のケアが実施可能(研修期間は2週間ほど)
福祉用具専門相談員指定講習
福祉用具の選定や活用方法を学び、福祉用具貸与・販売事業所で働くために必要な研修です。
研修期間は約7日間で福祉用具の適切な選択、計画書の作成、定期訪問時の使用状況の確認や点検・調整といった業務を行えるようになります。
福祉用具貸与・販売事業所では、2名以上の福祉用具専門相談員の配置が義務付けられているため、取得すると転職やキャリアアップに有利になるでしょう。
また、高齢化社会の進展に伴い福祉用具の活用が重要視されるため、今後の需要も高まると考えられます。
ユニットリーダー研修
ユニット型介護施設のリーダーとして、ユニットケアの考え方やチームケアを学ぶための研修です。
研修は複数の段階に分かれており、約4時間のeラーニング、2日間のオンライン研修、3日間の実地研修、さらに3時間のプレゼンテーション研修が含まれます。
ユニット型介護施設は利用者一人ひとりの個別ケアを重視した施設であり、今後の介護業界ではこのような施設も増えると予想されます。
ユニットケアを実践できる人材の需要が高まることが予想され、キャリアアップを目指す介護職員にとって有益な研修となるでしょう。
研修や会議に役立つICTツールをちょこっとご紹介
MAXHUB「All in One Meeting Board」の紹介
MAXHUB「All in One Meeting Board」は、企業向けにオンライン研修や会議を効率的に行うためのデジタル機器です。
大型のタッチパネルモニターに高品質なマイク、スピーカー、カメラといった、会議や研修を行う上で必要な機器が備わっており、セッティングもスムーズです。
また、PCからの操作も可能なため、資料の投影も簡単に行えます。
MAXHUB「All in One Meeting Board」の活用事例

当社事例にてご紹介させていただきました社会福祉法人吉祥会寒川ホーム様は、会議や研修の際に紙の資料を作成・配布したり、ノートPCをプロジェクターに接続して画面に投影したりと、従来の方法で運営していました。 資料作成や機材準備に手間がかかっていましたが、MAXHUB「All in One Meeting Board」を導入した結果、PCやプロジェクターの準備が不要になり、簡単に共有できるようになりました。 紙の資料作成の手間が削減されて会議の準備時間が大幅に短縮されるなど、業務効率が向上した事例です。 ぜひ、事例ページをごらんください。
まとめ
本記事では、介護職員のスキルアップ研修について解説しました。
介護業界では専門知識や技術の向上が求められており、さまざまな研修が用意されています。介護職員のスキルアップ研修には、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修、各都道府県が主催する研修などがあり、どれもスキルアップに役立ちます。
研修の効率を上げるためのデジタル機器として、MAXHUB「All in One Meeting Board」がおすすめです。簡単な操作で会議や研修をスムーズに進められるため、介護施設でも導入が進められています。
介護業界で働く方々が自身のスキルを向上させ、よりよいケアを提供できるように、積極的に活用していきましょう。
