2025.06.13

アシストスーツの効果とは?導入時のポイントや選び方を解説!

現在の介護業界では、職員の業務改善を目的とした、さまざまな取り組みが行われています。その中で、身体介護時の負担軽減のために「アシストスーツ」の導入を検討する施設が増えています。本記事では、アシストスーツについて詳しく解説していくため、導入を考えている施設はぜひ参考にしてください。

アシストスーツとは?

まずはアシストスーツの概要や種類から紹介していくため、確認していきましょう。

体の動きをサポートする器具

アシストスーツとは製造業・物流・農業・介護など、体に負荷のかかる現場での作業をサポートするために開発された、装着型のサポート器具です。
使用者の動きに合わせて腰やひざ、腕などの動作を補助することで体への負担を軽減し、疲労の蓄積やケガのリスクを減らす効果が期待されています。
特に介護現場では、利用者の移乗介助や体位変換など、腰に大きな負担がかかる作業が多いですが、アシストスーツの導入によって作業効率が上がったと実感する職員も少なくありません。
介護業界では今後も人手不足が続くと予想されていることから、職員の身体的負担を減らし、離職防止にも効果的なツールとして注目されています。

アシストスーツの種類

アシストスーツにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
販売しているメーカーによっても名称が違ってきますが、大きく3つの種類に分けられています。

動力ありタイプ

モーターの力によって作業者の力を検知し、サポートするタイプで「アクティブタイプ」ともいわれます。3種類の中でもっともアシスト力が高いのが特徴ですが、スーツ自体の重量もあり装着にも時間がかかるので、長時間の作業には不向きな可能性もあります。
また、価格も数十万円~百万円程度と高めです

動力なしタイプ

人工筋肉や支柱構造体によって作業をサポートするタイプで「パッシブタイプ」ともいいます。体に装着することで肋骨やひざを支え腰への負担を軽減しつつ、よい姿勢を保つことも可能です。価格は数万円~数十万円となっています。

サポータータイプ

装着が簡単で特定の部位(腰や膝)をサポートするタイプで、薄くて軽いのが特徴です。ほかの2種類より価格が比較的低く数万円程度となっているため、導入しやすいのがメリットです。

アシストスーツが活用されている業界

アシストスーツは介護業界に限らず、さまざまな業界で使用者の負担を軽減するために活用されています。

  • 介護業界:利用者の移乗や移動介助、入浴や排泄介助時の腰への負担を軽減
  • 農業:収穫や積み下ろしなど、長時間の中腰作業の負担を軽減
  • 製造業:重量物の上げ下ろし、持ち運び作業の負担を軽減
  • 物流:荷物の取り扱い、パレタイズ作業の負担を軽減

アシストスーツで期待できる効果

介護現場にアシストスーツを導入することで、身体的な負担を軽減する以外にも期待できる効果について解説していきます。

身体的な負担を軽減

介護現場では、身体介護による腰痛やぎっくり腰などの職業病が問題視されています。 特に女性や高齢の職員が、自分よりも体重のある利用者の介護をする場面も非常に多く、ちょっとした動作で体を痛めてしまうことも少なくありません。アシストスーツを導入することで職員の腰への負担を減らせるため、健康維持に貢献します。

人手不足の解消

介護業界では慢性的な人手不足が課題となっており、特に身体的負担の大きさから離職する職員が少なくありません。働き続けたいという意欲があっても、腰痛やひざの痛みなどの身体的理由で退職を選ぶケースも多く見られます。しかし、アシストスーツを導入することで体にかかる負荷を大きく軽減でき、重労働による疲労や痛みを抑えられます。結果として職員のストレスが減少し、体調を維持しながら長く働ける環境が整うため、離職率の低下が期待できるでしょう。

作業効率の向上

体に大きな負担を抱えたままでは疲労が蓄積されて、集中力の低下や業務のミスを招きます。特に介護現場では、利用者の安全を守るためにも職員の集中力は欠かせません。そこでアシストスーツを活用して身体的負担が軽減されることで、作業に余裕が生まれ効率的に動けるようになるでしょう。さらに、無理のない動作が可能になることで、短時間で多くの業務をこなすことができるようになり、人手が不足している日でも質の高い対応がしやすくなります。

アシストスーツを導入する際の課題

アシストスーツの利用にはメリットが多いものの、課題もあるため導入前に確認しておきましょう。

コストがかかる
アシストスーツは高額なものが多いため、導入コストが課題です。サポートタイプは比較的安く導入できますが、その分耐久性や性能もほかの2種類に比べると劣る面があります。動力なしタイプでも数十万円ほどの費用がかかることもあり、動力ありタイプでは数十万円~数百万円の製品も発売されています。

慣れるまで時間がかかる
装着方法や動作のサポートに慣れるまでに時間がかかる場合があります。 特に介護現場では時間に追われることも多く、装着する時点で手間がかかってしまうと効率が悪いと感じる職員もいるので、注意が必要です。 職員全体に定着するまでどうしても時間を要するため、時間のあるときに装着の練習をしておくことも大事です。

体格に合わせたサイズを選ぶ必要がある
適切なサイズを選ばなければ、十分な効果を得られない可能性があります。製品によっては、S・M・Lのサイズもあればフリーサイズの製品もあり、同じサイズの表記でもメーカーによって大きさが異なるかもしれません。導入前には業者の方にも協力してもらい、職員が試着したり質問したりできる機会を設けましょう。

トラブルが起きる可能性がある
アシストスーツの使用には、便利さと同時にトラブルが発生するリスクも伴います。特に動力ありタイプでは、突然停止したり、バッテリーからの発火などの大きな事故が起こったりすることも考えられるので、定期的な点検やメンテナンスが必要です。また、装着に不慣れな職員がいる場合は、装着に時間がかかる、もしくは正しく装着できないことで、業務に遅れが生じることもあります。その結果、職員同士の連携が乱れたり利用者に不安を与えたりといったトラブルに発展する可能性もあるため、導入前には十分な研修が必要です。

アシストスーツの選び方について

アシストスーツにはさまざまな種類があるため、介護現場に導入する際はどのような基準で選べばいいのでしょうか。
ここでは、アシストスーツを選ぶポイントについて解説していきます。

目的に合った製品を選ぶ

介護業務に適したタイプを選ぶことが重要です。アシストスーツはさまざまな分野で導入されているので、製品によっては介護以外の分野での使用を想定したものもあります。基本的な介護業務である移乗介助や入浴・排泄介助を行いやすいものを選ぶとしたら、軽量で装着時に体への負担が少ない製品を選ぶのが望ましいです。

着脱しやすいか確認する

忙しい時間の中で使用するため、素早く着脱できるかを確認することが大切です。動力タイプのものは、モーターが搭載されていることから着脱に時間がかかるため、導入する際はよく検討しましょう。また、サポートタイプは安価で導入がしやすい点がメリットですが、シンプルな作りになっているため効果を実感しにくい可能性もあります。

コストを考慮する

アシストスーツの導入には本体価格だけでなく、維持費や消耗品の交換費用なども含めたコストがかかります。
そのため、事業所の予算に応じて無理のない範囲で導入機種を選ぶことが大切です。
価格が高いからといって必ずしも現場に合うとは限らないため、用途や使いやすさとのバランスを見極める必要があります。
さらに、自治体や県によってはアシストスーツ導入に対する補助金制度を設けている場合もあるため、事前に制度を確認しておきましょう。

マッスルスーツ エブリィで現場の作業負担を軽減

最後に、介護現場におすすめの「マッスルスーツ エブリィ」を紹介していきます。

マッスルスーツ エブリィとは

マッスルスーツエブリィは空気圧を利用した人工筋肉により、使用者の作業をサポートするアシストスーツです。
モーターを使用しない動力なしタイプのため、軽量かつ着脱がしやすいのが特徴です。
業務へのスピードが求められる介護現場においても導入されることが増えており、多くの事業所から「職員の介護業務の負担が軽減された」といった声が出ています。
ソフトフィットとタイトフィットの2種類ありますが、どちらも価格が149,600円と安めに設定されているため、コストがあまりかからないのも大きな利点です。
サイズはS-M・M-Lの2展開があり、職員の体格に合わせて選べる点も魅力です。

マッスルスーツ エブリィの効果

マッスルスーツ エブリィは、ソフトフィットとタイトフィットの2種類がありますが、介護で使用する際はタイトフィットが適しています。
排泄介助や移乗介助、シーツ交換などの介護現場における中腰作業において、腰への負担を軽減します。
電気を使用しない構造のため使用時間に制限がなく、屋外や水場でも問題なく使用することが可能です。
使い方も非常にシンプルで、リュックのように背負ってベルトを締めるだけと、わずか10秒ほどで装着が完了します。
本体重量は約3.8kgと軽量で女性や高齢者、体力に自信のない方でも使いやすいように設計されています

まとめ

アシストスーツとは、体の動作をサポートするために開発された装着型の器具で、介護や製造、農業、物流などの幅広い分野で活用されています。
介護業界においては主に腰やひざなどへの負担を軽減する目的で使用されており、作業の効率化にもなります。
アシストスーツには「サポータータイプ」「動力なしタイプ」「動力ありタイプ」があり、それぞれ価格帯や効果が異なるため、適したものを選びましょう。
本コラム内で紹介した「マッスルスーツ エブリィ」は軽量かつ着脱が簡単であり、介護現場に適したアシストスーツです。
電源も不要なため長時間の使用や屋外作業にも対応可能で、コスト面でも手が届きやすい価格帯に設定されています。
介護職員の負担軽減と業務効率の向上を実現し、より働きやすい介護現場を目指しましょう。

「マッスルスーツ エブリイ」について
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