処遇改善加算はどう変わる?事業者必見
2026年度(令和8年度)、障害福祉サービス等報酬改定が行われます。
特に注目されているのが 「処遇改善加算の見直し」 です。
- ・職員の給料は本当に上がる?
- ・加算の仕組みは変わる?
- ・小規模事業所でも算定できる?
この記事では、令和8年度の障害者制度改定の全体像と、処遇改善加算の変更点を詳しく解説します。
参照:厚生労働省 令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について (R8.2.18)より
令和8年度障害者制度改定とは?
障害福祉サービスの報酬は通常3年に1回改定されます。しかし令和8年度は、定期改定を待たずに期中(臨時)改定が行われます。
▶なぜ途中で改定されるのか?
背景には以下の課題があります。
- ・物価・光熱費の高騰
- ・人件費の上昇
- ・福祉人材の慢性的不足
- ・障害福祉サービス費の増加
特に「人材確保」が最大のテーマです。
令和8年度改定のポイント
1. 処遇改善加算の拡充(最重要)
今回の改定の中心が、処遇改善加算の見直しです。

・対象者・対象範囲の拡大
▶障害福祉従事者全体が対象にこれまで処遇改善加算は 福祉・介護職員(生活支援員等)を中心に対象としていましたが、令和8年度改定では 障害福祉サービスに関わる幅広い職種(事務、調理、運転手、管理者、相談支援専門員等)も対象に含める方向が示されています。
→ 対象者の拡大により加算率・対象単位数そのものが引き上げられる見込みです。
▶新たな対象サービスの追加従来は処遇改善加算の対象外だった以下の支援についても、要件を満たすことで処遇改善加算が算定可能になる見込みです:
- ・計画相談支援
- ・障害児相談支援
- ・地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援等)
→ 障害福祉サービス全体の処遇改善の幅が広がります。

・加算区分の見直し
▶上位区分の新設(典型例:Ⅰロ・Ⅱロ)
今回の改正案では、従来の加算区分(Ⅰイ・Ⅱイ等)に加えて より上位の加算区分(Ⅰロ・Ⅱロ)が新設されます。
この上位区分は、次のような重点的取り組みをしている事業者向けです
- 生産性向上の取組を複数実施(ICT導入など)
- 協働化(バックオフィスの共同化など) の推進
- 上位区分に応じた賃金配分の実施計画・誓約・実績報告が要件に含まれるなど→ 新区分の取得により、事業所ごとにより高い加算率が得られる可能性があります。


・加算率・賃上げ方向性
厚生労働省の告示案等では、処遇改善加算の全体として以下のような方向性が示されています:
▶基本の賃金改善措置(全体ベース)
- 月額1万円(約3.3%相当)の賃上げ支援
- 生産性向上・協働化等の取り組みを行う事業者には さらに月額0.3万円(約1.0%相当)の上乗せ
※上記は福祉・介護全体の処遇改善の仕組みと連動した形で障害福祉にも反映される方向です。
▶具体的な配分・報酬単位
- 実際の 処遇改善加算の単位数(%)はサービスごとに設定・引き上げ が行われています(例:居宅介護、生活介護など)。→ これは対象者の拡大や要件見直しと連動したものです。
・計画・要件の緩和措置(特例)
令和8年度は臨時改定の性格が強いため、2026年度中の対応を誓約するだけでも算定可能となる特例措置が設けられる見込みです。
→ 実績報告書で実施を確認する仕組みにより、事務負担の軽減が図られます。
・注意点:新設事業所の基本報酬の特例
臨時改定とは別に、就労継続支援B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービス等の 基本報酬単価を新規指定事業所向けに一時的に引き下げる措置が検討されています(既存事業所は従来通り)。
→ これは処遇改善加算自体ではなく報酬全体の持続可能性を確保するための対策ですが、制度全体の評価に影響します。

2. 就労継続支援B型の見直し
令和8年度改定では、就労継続支援B型も重要ポイントです。
- 工賃(利用者への支払賃金)計算方法の見直し
- 基本報酬区分の調整
工賃水準が経営に直結するため、影響が出る可能性があります。

3. 新規事業所への報酬調整
令和8年6月以降に指定を受ける事業所について、一部サービスで報酬単価が調整される見込みです。既存事業所は大きな変更は想定されていません。
障害福祉サービス等報酬改定にむけて事業者が今すべき準備
令和8年度改定に向けて、以下の対応が重要です。
- ・ 処遇改善加算の現状確認
- ・ キャリアパス制度の整備
- ・ 賃金規程の見直し
- ・ B型は工賃計算の再確認
- ・ 収支シミュレーション実施
障害福祉サービス等報酬改定でよくある質問(FAQ)
Q. 処遇改善加算は必ず算定すべき?
Q. 賃上げ分は必ず全額配分?
Q. 手続きはいつから?
令和8年度障害福祉サービス等報酬改定のまとめ
令和8年度改定は「処遇改善」が最大テーマ
令和8年度の障害者制度改定は、
- 処遇改善加算の強化
- B型見直し
- 制度の持続可能性確保
が中心となります。
令和8年度の障害福祉サービス等報酬改定は、特に処遇改善加算の見直しが大きな注目点です。処遇改善加算の拡充により、幅広い職種が対象となり、事業者にとっては大きなチャンスとなります。
これに伴い、賃金改善の措置や新たな加算区分の設定が進められ、福祉業界全体の底上げが期待されています。しかし、この改定を有効に活用するには、事業者自身が処遇改善加算の理解を深め、適切な対応を行うことが重要です。今後の経営安定のカギは、これらの変化をいち早く捉え、戦略的に準備を進めることにあります。
