2026年6月の介護報酬改定では、処遇改善制度の見直しにより介護職員等処遇改善加算の区分が拡充されます。「介護報酬改定」は、介護事業所や地域包括ケアシステムにとって重要な転換点となります。この改定は、介護業界全体に大きな影響を与えると予想され、適切な対策を講じることが求められています。この記事では、令和8年の介護報酬改定の背景や主な変更点を詳しく解説し、介護報酬改定に備えるための具体的な知識と対策が得ることができます。
令和8年度介護報酬改定の概要
【概要】
「「強い経済」を実現する総合経済対策」(令和7年11月21日閣議決定)において、「介護分野の職員の処遇改善については、(中略)他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度介護報酬改定において、必要な対応を行う」とされたことを踏まえて、令和9年度介護報酬改定を待たずに、期中改定を実施する。改定率は+2.03%(処遇改善分+1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分+0.09%)となる。
今回の改定では、新たに次の区分が追加されます。
- ・Ⅰイ
- ・Ⅱイ
- ・Ⅰロ
- ・Ⅱロ
この制度は、介護職員等処遇改善加算 として、介護職員などの賃金改善を目的とした加算です。
また、制度の方向性は第253回社会保障審議会介護給付費分科会で示されています。

今回の改定のポイント
今回の処遇改善加算の見直しでは、主に次の3点が大きく変わります。
①加算区分の拡充
従来の加算区分に加えて
- Ⅰイ
- Ⅱイ
- Ⅰロ
- Ⅱロ
という区分が追加されます。


②介護職員から「介護従事者」へ対象拡大
これまで主に対象だった介護職員だけでなく、次のような職種も対象となります。
【例】
- ・介護補助者
- ・看護職員
- ・リハビリ職員
- ・生活相談員
つまり、事業所全体の処遇改善が目的となっています。
③生産性向上の取り組みを評価
新しい区分では「ICT導入」「業務効率化」「介護ロボット活用」などの取り組みを行う事業所が評価されます。
「イ」と「ロ」の違い
今回の改定では、加算区分にイ / ロが導入されます。
| 区分 | 内容 |
| イ | 従来の要件 |
| ロ | 生産性向上要件あり |
つまり、ロ区分の方が、加算率が高い可能性があります。
Ⅰイとは
Ⅰイは、処遇改善加算の上位区分です。
- ・賃金改善の実施
- ・キャリアパス要件
- ・職場環境改善
比較的多くの介護事業所が取得している従来型の加算区分に近い内容です。
Ⅱイとは
Ⅱイは、Ⅰイより要件が緩やかな区分です。
【特徴】
- ・小規模事業所でも取得しやすい。
- ・加算率はⅠイより低い。
ただし、次の対応は必要です。
- ・処遇改善計画書
- ・賃金改善
Ⅰロとは(生産性向上型)
Ⅰロは、Ⅰイの要件に加えて、生産性向上の取り組みを行っている事業所が対象となります。
【例】
- ・介護記録システム導入
- ・ICT活用
- ・介護ロボット
- ・業務改善
これにより、加算率が上乗せされる可能性があります。
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Ⅱロとは
Ⅱロは、Ⅱイの要件に、生産性向上の取り組み を追加した区分です。
【特徴】
- ・小規模事業所でも取得可能
- ・ICT導入などで評価
居宅・地域包括支援センターへの影響
地域包括支援センターでも、新たに処遇改善サービスコードが追加されます。
介護保険事務処理システム変更に係る参考資料(その1)(令和8年2月26日事務連絡)
介護予防・日常生活支援総合事業の算定構造のイメージ(R8.6.1 )(案)

介護人材確保への対応
今回の制度は、介護人材不足への対策でもあります。
地域包括支援センターとしても
- ・地域の事業所支援
- ・情報提供
が重要になります。
介護事業所が準備すること
今回の改定に向けて、事業所では次の準備が必要です。
処遇改善計画の見直し
新しい区分に対応するため
- ・処遇改善計画書
- ・賃金改善内容
を確認します。
ICT導入の検討
ロ区分を取得する場合
- ・介護ソフト
- ・記録システム
などの導入が重要になります。
介護ソフトの更新
介護請求ソフトでは
- ・新しい加算区分
- ・請求データ
の対応が必要になる可能性があります。
まとめ
令和8年6月の介護報酬改定では、介護職員等処遇改善加算の区分が拡充されます。
【新しい区分】
- ・Ⅰイ
- ・Ⅱイ
- ・Ⅰロ
- ・Ⅱロ
ポイント
- ・介護従事者へ対象拡大
- ・生産性向上の取り組みを評価
- ・ICT導入などが重要
介護事業所や地域包括支援センターでは、制度内容を確認し早めに準備を進めることが重要です。
介護報酬改定は、介護業界全体に大きな変化をもたらす重要な転換期となります。質の高いサービス提供や労働環境の改善が求められる中で、介護職員に対して適切な待遇を整えることが不可欠です。これにより、職員のモチベーション向上や離職率の低下が期待されます。
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