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2026.11.04

【2026年最新】企業に求められる情報セキュリティ対策とは?SCS評価制度とLCMの重要性を解説

2026年、企業の情報セキュリティ対策は、サイバー攻撃を防ぐための技術的な取り組みだけではなく、事業を止めないための経営課題として捉える必要があります。警察庁によると、2025年に報告された国内のランサムウェア被害は226件でした。さらに、2026年上半期は123件となり、半期ベースで統計開始以降最多を記録しています。被害は情報の窃取や業務停止、復旧費用の増大など、経営に直接影響するリスクとなっています。加えて、サプライチェーン全体の対策状況を可視化する「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)」の整備も進んでいます。こうした変化に対応するためには、セキュリティ製品を導入するだけでなく、端末の調達・設定から運用、保守、更新、廃棄までを継続的に管理する体制が必要です。本記事では、2026年の脅威動向と制度改正を踏まえ、企業に求められる情報セキュリティ対策と、情報システム部門の負担を軽減する運用方法を解説します。

※出典「警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』(2026年9月公表)」
https://www.npa.go.jp/news/release/2026/20260909001.html?utm_source=chatgpt.com

情報セキュリティ対策とは

情報セキュリティ対策とは、企業や組織が情報資産を保護するために講じる一連の措置・手法です。具体的には、データの漏えいを防ぐための技術的な施策だけでなく、従業員教育や組織的な運用プロセスの見直しも含まれます。情報セキュリティは、機密性、完全性、可用性の3つの要素から成り立っています。これらを維持するためには、適切なアクセス管理、データ暗号化、ネットワークの監視、セキュリティポリシーの徹底などが求められます。

近年では、サイバー攻撃の手口が高度化・巧妙化しているため、企業は常に最新の技術と情報に基づいた対策を講じる必要があります。加えて、2026年には改正個人情報保護法が公布され、企業にはより厳格なデータ管理と報告義務が課されます。これにより、情報セキュリティ対策の重要性はますます高まっています。

また、情報セキュリティは単なるIT部門の課題に留まらず、経営戦略の一環として捉えることが重要です。なぜなら、情報漏えいやシステムダウンは企業の信頼を失墜させ、事業継続性に多大な影響を与えるからです。そのため、全社的な取り組みとして、従業員への教育や意識向上も欠かせません。これらの施策を通じて、企業は情報セキュリティのリスクを最小化し、持続可能な成長を目指すことができます。

情報セキュリティの基本的な3要素(CIA)とは

情報セキュリティの基本的な3要素、すなわち機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)は、企業がデータを保護し、信頼性のあるサービスを提供するための基盤となります。機密性は、データに許可された者だけがアクセスできる状態を保つことを指し、これにはアクセス制御やデータ暗号化が含まれます。完全性は、データが正確で改ざんされていないことを保証するものであり、デジタル署名やチェックサムなどの技術が活用されます。可用性は、必要なときにデータやシステムにアクセスできる状態を維持することを意味し、これにはバックアップや冗長化が重要です。これらの要素をバランスよく維持することが、情報セキュリティの本質であり、企業の競争力を支える要となります。特にデジタルトランスフォーメーションが進む現代において、これらの要素の適切な管理は、顧客からの信頼の構築や法令遵守に直結します。企業はこれを理解し、全社的なアプローチで情報セキュリティを強化する必要があります。

企業の情報セキュリティ対策を構成する3つの領域とは

企業の情報セキュリティ対策は、大きく「技術的対策」「物理的対策」「管理的対策」の3つの領域に分類されます。これらは互いに補完し合いながら、組織の情報資産を多角的に守るための重要な柱となっています。

まず、技術的対策は、ネットワークやシステムに対する防御策として最も一般的かつ基本的な領域です。具体的には、ファイアウォールの設置やウイルス対策ソフトの導入、不正アクセス検知システムの運用、データ暗号化などが含まれます。これらはサイバー攻撃やマルウェアから企業の情報資産を保護するための第一線の防御手段です。

次に、物理的対策は、情報システムの設置場所やアクセス制御を対象とした対策です。サーバールームの入退室管理や監視カメラの設置、機器の盗難防止策などが該当します。これにより、物理的な侵入や機器の紛失・破壊によるリスクを低減し、情報資産の安全性を確保します。

最後に、管理的対策は、組織の運用ルールや人材教育、リスク管理体制の構築など、人的および組織的側面からの対策を指します。具体的には、情報セキュリティポリシーの策定、従業員への定期的な教育・訓練、インシデント対応計画の整備などが含まれます。これらは技術的・物理的対策を効果的に機能させるための基盤となります。

対策領域  主な内容目的・役割
技術的対策ファイアウォール、ウイルス対策、不正アクセス検知、データ暗号化サイバー攻撃やマルウェアから情報資産を保護する
物理的対策入退室管理、監視カメラ、盗難防止措置物理的侵入や機器紛失・破壊のリスクを低減する
管理的対策セキュリティポリシー策定、教育・訓練、インシデント対応計画人的ミスや内部不正を防ぎ、対策全体の効果を高める

これら3つの領域は単独で機能するのではなく、組織のリスクに応じてバランスよく組み合わせることが重要です。例えば、最新の技術的対策を導入しても、従業員の教育が不十分であれば人的ミスによる情報漏えいリスクは解消されません。また、物理的なセキュリティが甘いと、外部からの侵入が容易になり、技術的対策の効果が限定的になることもあります。企業はこれらを総合的に管理し、安全な情報環境を構築する必要があります。

企業が実施すべき情報セキュリティ対策の具体例

企業の情報セキュリティを確保するには、特定の製品だけに依存せず、技術・物理・管理の各領域を組み合わせた対策が重要です。主な対策例は以下のとおりです。

対策領域  具体的な対策例
技術的対策多要素認証(MFA)、アクセス制御、マルウェア対策、脆弱性への対応、通信監視、ログの取得・分析、バックアップ
物理的対策入退室管理、防犯カメラ、端末・記録媒体の施錠保管、機器の持ち出し管理、廃棄時のデータ消去
管理的対策セキュリティポリシーの策定、従業員教育、権限の定期的な見直し、インシデント対応手順の整備、委託先・取引先の管理

2026年のサイバー脅威と企業に求められる対応

ランサムウェアの被害動向と企業が取るべき対策

ランサムウェア攻撃は、データを暗号化して身代金を要求するだけではありません。現在は、企業から窃取した情報を公開すると脅す「二重恐喝」や、データを暗号化せず、窃取した情報を材料に金銭を要求する「ノーウェアランサム」も確認されています。また、2026年上半期の被害では、中小企業が全体の約6割を占めました。侵入経路としては、VPN機器などネットワーク境界機器の脆弱性が多く確認されています。自社が大企業でなくても、「狙われる可能性が低い」とは言えません。取引先への侵入経路として利用されたり、自社の被害によって取引先の業務を止めたりするリスクもあるため、サプライチェーン全体を意識した対策が必要です。

SCS評価制度により対策状況の可視化が進む

SCS評価制度は、企業のセキュリティ対策状況を段階別に可視化する制度です。2026年3月に制度構築方針が公表され、IPAが制度を運営します。

制度では、一般的なサイバー脅威に対処できる水準を「★3」、初期侵入後の被害拡大防止やサプライチェーンの強靱化まで含めた水準を「★4」として整理しています。★3はセキュリティ専門家の確認を受けた自己評価、★4は評価機関による第三者評価と技術検証を基本とする仕組みです。

SCS評価制度では、委託元が取引先に必要な段階を示し、対策の実施状況を確認することが想定されています。そのため今後は、セキュリティ対策の実施状況を説明できることが、取引上の信頼性を示す要素になると考えられます。

ただし、2026年9月時点ですべての取引において格付け取得が義務化されているわけではありません。まずは要求事項を確認し、自社の現状との間にどのような差があるのかを整理することが重要です。

参考サイト:IPA「SCS評価制度の詳細情報」

https://www.ipa.go.jp/security/scs/index.html

2026年改正個人情報保護法と課徴金制度

個人情報保護法の改正法は、2026年7月10日に成立し、7月17日に公布されました。原則として、公布から2年を超えない範囲で施行される予定です。改正法では、命令・罰則などの見直しに加え、経済的誘因のある大量の個人情報の取り扱いに関する重大・悪質な違反などに対して、課徴金を命じる制度が盛り込まれました。課徴金は、情報漏えい事故が発生したすべての企業に一律で科されるものではありません。

一方、個人情報を大量に取り扱う企業にとっては、安全管理措置やガバナンスの不備が、賠償、原因調査、事業停止、信用低下などの大きな経営リスクにつながります。経営層には、事故発生後の対応だけでなく、平時から必要な予算や人員を確保し、継続的に対策状況を確認する姿勢が求められます。

参考サイト:個人情報保護委員会「令和8年 改正個人情報保護法について」

https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/r8kaiseihogohou/

【技術・物理】暗号化の壁を突破する多層防御の再構築

標的型攻撃や未知のマルウェアに備える「振る舞い検知(FFRI yarai)」

従来のウイルス対策で広く使われているパターンマッチング方式は、あらかじめ登録されたマルウェアの特徴と照合して検知する仕組みです。

既知のマルウェアへの対策として有効ですが、パターンファイルにまだ登録されていない未知のマルウェアや、新たに発見された脆弱性を悪用する攻撃などは、検知が難しい場合があります。

こうした脅威に備えるためには、登録済みの情報との照合だけでなく、ファイルの構造やプログラムの動作を分析し、不審な特徴や挙動を捉える対策が重要です。

FFRI yaraiは、「ZDP」「Static分析」「Sandbox」「機械学習」「HIPS」の5つの検出エンジンを搭載しています。

ファイルを実行する前の内部構造の確認、保護された領域での動作分析、不審なプロセスの監視など、異なる方法を組み合わせて脅威を検知します。

既知のマルウェアに対応する従来型の対策に、FFRI yaraiによる複数の解析・検知方法を加えることで、標的型攻撃や未知のマルウェアにも備える多層的なセキュリティ対策につながります。

未知のマルウェアや標的型攻撃への対策を詳しく知りたい方は、標的型攻撃対策ソフトウェア「FFRI yarai」をご覧ください。

脅威の87%超が暗号化通信を経由 出口対策(DDH BOX)の重要性

2024年度のZscalerは調査により、同社のクラウド上で遮断された脅威のうち、87%超が暗号化通信を経由していたことを明らかにしました。これは国内企業全体を対象とした統計ではありませんが、HTTPSなどの暗号化通信が、攻撃にも利用されている実態を示しています。

DDH BOXは、セキュリティ監視センターで更新されるC2(指令)サーバーのリストを利用し、不正な通信を検知・遮断します。

Webトラフィックのほとんどが暗号化されている現状では、従来のゲートウェイ対策だけで通信の中身をすべて精査することは、システム負荷やプライバシーの観点から現実的ではありません。入口での検知をすり抜けたマルウェアが外部のC2サーバーと通信しようとする際の挙動を捉える出口対策(DDH BOXなど)の重要性は、2026年においてこれまで以上に高まっています。

ただし、DDH BOX自体が暗号化された通信の内容をすべて復号・検査する製品ではありません。エンドポイント対策、ファイアウォール、認証強化、ログ管理などと組み合わせることで、多層防御の一部として機能します。

マルウェア感染後の不正な外部通信を検知・遮断する出口対策については、セキュリティ出口対策製品「DDH BOX」をご覧ください。

「空間×ICT」の融合。ESCO 船橋-BaySiteに見る物理的防壁

情報セキュリティ対策は、デジタル領域だけで完結するものではありません。SCS制度においても、機器の保管場所や作業環境における物理的なガバナンスが厳格に評価されます。2,620坪の規模を誇るウチダエスコの拠点「ESCO 船橋-BaySite」では、顔認証による入退室管理や、防犯カメラによる24時間の監視体制が敷かれています。

また、5S活動に基づく徹底した整理整頓により、記憶媒体の紛失や誤廃棄といった人為的なミスを構造的に排除しています。物理的なオフィス環境の構築とICTインフラの設計を融合させることで、デバイスのキッティングから保管、配送に至るすべての工程において、不正アクセスや物理的な盗難を許さない強固な防壁を実現しています。技術的なセキュリティ対策と、端末を扱う空間の物理的な管理を組み合わせることで、キッティングから保管、出荷、回収、データ消去までの安全性を高めることができます。

端末の調達・初期設定から運用、保守、更新、回収・廃棄までを一貫して管理したい場合は、ウチダエスコのPCライフサイクルマネジメントサービスをご覧ください。

【組織・業種別】2026年ガイドラインとガバナンスの要諦

文教・福祉 2026年4月稼働「介護情報基盤」への対応

2026年4月1日以降、順次稼働を迎える介護情報基盤や、文教分野におけるGIGAスクール端末の更新期(GIGA 2.0)に伴い、特定の業種ではこれまで以上に高度なガバナンスが求められています。2028年の本格運用開始に向けた移行期間が始まる中、厚生労働省の最新ガイドラインでは、医療・介護間での円滑なデータ連携を前提としつつも、扱う情報の機微性を鑑みた厳格なアクセス制御が求められています。

特に、地域包括ケアシステムの一環として外部組織とデータをやり取りする際には、情報のライフサイクルを通じた権限管理が必須となります。教育機関においても、学習履歴や校務情報のクラウド移行が進む中で、ゼロトラストの考え方に基づいたアイデンティティ管理を再構築することが、2026年の最優先事項となっています。

介護・教育のいずれも重要な個人情報を扱うため、利用者ごとの権限設定、端末管理、認証強化、操作ログの記録などを組み合わせ、情報のライフサイクル全体を管理する必要があります。

多要素認証(MFA)による認証強化と生成AI時代の教育

IDとパスワードだけに依存した認証では、パスワードが窃取された際に不正アクセスを防げない可能性があります。そのため、認証情報に加えて、端末や生体情報など複数の要素を用いる多要素認証(MFA)の導入が重要です。SCS評価制度の★3・★4でも、重要な情報を扱うクラウドサービスへのアクセスなど、対象となるシステムやアクセス経路に応じてMFAの実装を求める評価基準が設けられています。まずは重要な情報や管理者権限を扱うアカウントから、優先的に認証を強化することが求められます。

デジタル庁は2026年6月、行政機関向けの「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)」を策定しました。民間企業に直接適用される基準ではありませんが、生成AIを安全に調達・利用するためのリスク管理を考えるうえで参考になります。企業においても、組織が把握・管理していない生成AIサービスの利用、いわゆる「シャドーAI」を通じた情報漏えいへの対策が必要です。

対策としては、単に利用を禁止するのではなく、次のようなルールを明確にします。

  • 利用を認める生成AIサービス
  • 入力してはいけない機密情報や個人情報
  • 生成結果を業務で使用する際の確認方法
  • 利用履歴やアカウントの管理方法
  • 問題が発生した際の報告先

技術的なフィルタリングに加え、ルールの定期的な見直しと、従業員一人ひとりがAIの特性やリスクを理解するための教育が不可欠です。最新の脅威動向に合わせた教育プログラムを定期的に実施し、組織全体の防御力を底上げする取り組みが求められます。

インシデントからの迅速な復旧を支えるログ管理(MylogStar)

万が一侵入を許した場合、被害を最小限に抑えるには復旧スピードがすべてです。IPAの「2024年度中小企業等実態調査」によると、過去3期にサイバーインシデントの被害を受けた中小企業では、復旧までに要した期間は平均5.8日でした。また、復旧に50日以上を要した企業も2.1%あり、被害が長期化するケースも確認されています。警察庁の統計によれば、ランサムウェア被害に限定すると「復旧に1カ月以上」を要するケースが半数近くに上るなど、被害は極端に長期化する傾向にあります。被害を受けた際に重要なのは、侵入経路、攻撃者が行った操作、影響を受けた端末やデータを速やかに把握することです。

この期間の事業停止による損失は中小企業であっても甚大です。迅速なフォレンジック調査と原因究明を可能にするためには、MylogStarのような高度なログ管理ツールを用い、端末の操作履歴や特権IDの動きを動かぬ証拠として長期保持しておく必要があります。

MylogStarでは、「いつ」「誰が」「どの端末で」「どのような操作を行ったか」を記録できます。ログは内部不正の抑止だけでなく、インシデント発生時の原因調査や影響範囲の確認にも役立ちます。

2026年のガバナンスにおいては、ログは取得するだけでは不十分です。緊急時に誰が確認するのか、どのログを優先して調査するのか、外部の専門会社へどのように連携するのかまで決めておく必要があります。インシデント発生時に即座に分析・活用できる体制を整えておくことが、初動対応の成否を分け、ひいては企業の社会的信頼の早期回復に直結します。

インシデント発生時の原因調査や影響範囲の把握に備えて、操作履歴を適切に記録・管理したい方は、操作ログ管理「MylogStar」をご覧ください。

運用負担を軽減する「ライフサイクルマネジメント(LCM)」

情報システム部門だけですべてを担うことの限界

DX、クラウド活用、生成AI、法制度への対応など、情報システム部門が担う業務は年々広がっています。その一方で、PCの調達・設定、問い合わせ対応、資産台帳の更新、故障時の修理手配、端末回収など、日常的な業務にも多くの時間が必要です。

IPAの調査でも、日本企業におけるDX人材不足の深刻化が指摘されています。多くの企業では、情報システム人材に加えて指導者も不足しており、若手の育成に十分な時間を割けない状況にあります。2026年、DXの加速とSCS制度への対応が同時に求められる中、情報システム担当者が習得すべき専門知識は肥大化の一途をたどっています。日々のトラブル対応や資産管理といった業務に追われ、次世代の技術継承や高度なセキュリティ教育に割く時間は物理的に枯渇しています。

このように「守り」の業務で手一杯となり、属人的な運用に依存せざるを得ない現状は、最新の脅威が次々と現れる2026年のビジネススピードにおいて、組織最大の脆弱性となり得ます。自社リソースのみで24時間365日の安全を維持し続けることは、もはや現実的な選択肢ではありません。

こうした状況では、すべての業務を自社内だけで維持しようとするのではなく、業務の重要度や専門性に応じて、外部サービスを活用することも有効です。

ノンコア業務の外部委託による戦略的リソースの創出

情報システム部門が本来取り組むべきは、経営戦略に沿ったIT投資、セキュリティ方針の策定、SCS評価制度への対応やインシデント対応計画の整備といった、企業の競争力に直結する戦略的業務です。

一方で、次のような定型業務は、手順を標準化したうえで外部へ委託できます。

  • PCやタブレットのキッティング
  • 端末の保管・配送・設置
  • ヘルプデスク対応
  • 故障端末の回収・修理
  • 代替機の管理
  • 端末の回収・データ消去・廃棄

これらを専門のライフサイクルマネジメント(LCM)サービスへ切り出すことで、限られた人的リソースを「定型作業」から「企画・戦略」へとシフトさせることができます。外部リソースの活用によって社内に戦略的な時間を創出することこそが、リソース不足を解消しながら強固なセキュリティを維持するための唯一の解です。

外部委託は「すべてを任せる」ことではありません。責任分界点、報告方法、インシデント時の連絡体制、委託先のセキュリティ管理状況を明確にすることが重要です。

最大月6万台のキッティング体制が支えるPCライフサイクルの最適化

千葉県船橋市のESCO 船橋-BaySiteはデバイスのライフサイクル全域を一貫してサポートします。民間向けに最大月4万台、文教向けに最大月2万台のキッティング能力があり、合計すると最大月6万台の作業体制です。さらに、最大月6,000台のリペア、端末の保管、代替機管理、データ消去、廃棄代行などにも対応しています。

各プロセスがシームレスに連携することで、情報の分断による管理ミスを構造的に防ぎ、1台あたりのTCO(総保有コスト)の適正化を実現します。常に最新のセキュリティ設定が適用された端末を安定的に現場へ供給し、故障時にも迅速なリカバリーを可能にするこの循環モデルは、企業のガバナンスを維持し、事業継続性を担保する強力なインフラとなります。

全体最適を実現するセキュリティパートナー選定の新基準

マルチベンダー対応が「責任の押し付け」を解消する

2026年のIT環境は、マルチクラウドや多様なエンドポイントデバイスが混在し、かつてないほど複雑化しています。このような環境で障害が発生した際、各ベンダーが自社範囲外の責任を回避しようとする「責任の押し付け」は、情報システム担当者にとって大きな心理的・時間的負担となります。

独立系マルチベンダーとしての強みを持つパートナーを選ぶことで、メーカーの垣根を越えたワンストップの対応が可能になります。窓口の一本化は、初動対応を早め、システム停止によるビジネス損失を最小化するための現実的かつ効果的な選択肢です。

全国33拠点のネットワークが担保する「24/365」の安心

デジタル化が加速する2026年においても、最終的にサービスを支えるのは物理的な現場対応の機動力です。全国33拠点を展開するサービスネットワークは、地方拠点や小規模オフィスを分散して抱える企業にとって、極めて大きな安心材料となります。

また、ウチダエスコのシステム運用監視サービスでは、24時間365日の監視やアラート対応を提供しています。一方、障害時の現地対応などは契約内容や対応時間によって異なります。

パートナーを選ぶ際は、次の点を事前に確認しましょう。

  • 24時間365日の対象となる業務
  • アラート発生後の連絡時間
  • リモート対応と現地対応の範囲
  • インシデント発生時の支援内容
  • 対応地域とサービスレベル
  • 契約範囲外となる作業

24時間365日の監視体制と、必要に応じて迅速にエンジニアが駆けつけるオンサイト保守が組み合わさることで、SCS制度が求める高い事業継続性が担保されます。物理的な距離を感じさせない迅速なサポート体制こそが、有事の際の企業のレジリエンスを決定づける要素となります。

セキュリティを「製品」ではなく「ライフサイクル」で捉える

最後に重要なのは、セキュリティを単なる「製品の導入」ではなく、デバイスやインフラの「ライフサイクル」として捉える視点です。情報セキュリティ対策は、製品を導入した時点で完了するものではありません。2026年の基準において、一度の対策で完了するセキュリティは存在しません。

調達時には安全なキッティングを行い、運用中にはOSやソフトウェアの更新、アカウント管理、ログ監視、故障対応を継続する必要があります。この一連の工程を個別に管理するのではなく、ライフサイクル全体として捉えることで、設定漏れ、更新漏れ、所在不明端末、データの消し忘れなどのリスクを抑えられます。

導入から廃棄時の確実なデータ消去まで、一貫した管理体制を築くことが、企業のセキュリティ格付けを長期的に維持する唯一の方法です。製品単体のスペック比較を超え、運用の持続可能性をエンドツーエンドで支え続けるパートナー選びこそが、情報システム担当者が取るべき次なる指針となります。

まとめ

2026年の情報セキュリティ対策では、ランサムウェアやサプライチェーン攻撃への技術的な防御だけでなく、事業停止から早期に回復できる体制づくりが重要です。SCS評価制度の整備が進み、改正個人情報保護法も公布されたことで、企業には自社の対策状況を把握し、取引先や顧客へ説明できるガバナンスが求められています。必要となるのは、一つの製品ですべてを防ぐことではありません。

エンドポイント対策、ネットワークの入口・出口対策、多要素認証、ログ管理、物理セキュリティ、従業員教育、インシデント対応を組み合わせ、継続的に見直すことが大切です。

ウチダエスコ株式会社は、独立系マルチベンダーとしての柔軟性を生かし、物理的なオフィス環境の構築から、最新のセキュリティソリューション、そしてPC1台のライフサイクルを支える「LCMサービス」までを一貫して提供します。ESCO 船橋-BaySiteという強固な拠点を核に、セキュリティ環境の設計・構築・運用支援に加え、PCやタブレットの調達、キッティング、保守、回収、データ消去まで、ICT環境のライフサイクルを幅広く支援しています。

2027年3月頃に予定されているSCS評価制度の★3・★4の運用開始や、2026年4月から順次始まった介護情報基盤への対応など、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。自社の対策状況を整理したい、情報システム部門の運用負担を軽減したいという場合は、まず現在の環境と課題を可視化するところから始めてみてはいかがでしょうか。ウチダエスコのサイバーセキュリティ対策ソリューションにて、貴社の次なる指針をご確認ください。