2024.11.15

LEDの切り替えには配線工事が必要?取付工事例や業者選びのポイントも紹介

2027年に蛍光灯の製造が終了するため、LED照明への切り替えが求められていることをご存知でしょうか。LED照明は省エネ効果が高く、長寿命でメンテナンスコストが低いというメリットもありますが、導入には配線工事が必要です。本記事では、LED照明切り替えに伴う工事の理由や工事例、業者選びのポイントを紹介します。蛍光灯のLEDへの切り替えに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

蛍光灯からLED照明への切り替えが必要な理由

2027年に予定されている蛍光灯の製造終了は、家庭や企業にとって大きな問題であり、照明の切り替えが必要になります。
特に、省エネルギーとコスト削減の両方を実現するLED照明が注目を集めています。
LED照明の導入は、単に電気代を削減するだけでなく、長寿命で環境にも優しいため、メリットも多いです。
また、LED照明はちらつきや紫外線の発生を抑えるため、目や肌に優しく、健康面でもメリットがあります。

2027年に蛍光灯の製造・輸出入が廃止

2027年までに蛍光灯の製造と輸出入が廃止されることにより、蛍光灯の入手が難しくなります。
「蛍光灯の2027年問題」とは、2027年までに蛍光灯の製造や販売が大幅に制限され、最終的には禁止される問題のことです。
環境問題の解決と省エネルギーの推進を目的とした国際的な動きの一環であり、特に欧州連合(EU)で重視されています。
蛍光灯は多くの家庭やオフィスで利用されていましたが、世界的な規制により、LED照明への移行が促進されています。

電気代削減

LED照明は、従来の蛍光灯と比べて約50%以上の電力削減効果を持つとされており、LED照明の導入で企業や家庭が大幅に電気代を削減できるでしょう。
特に、照明を長時間使用するオフィスや商業施設では、電力消費が大きく減り、コスト削減が期待できます。

また、LED照明は発熱が少ないため、夏季における冷房の使用量を削減でき、電気代を削減することが可能です。 さらに、LED照明は長寿命で、交換頻度が少ないため、メンテナンスコストの削減にも繋がります。

LED切り替え時の配線工事の必要性

LED照明への切り替え時には、配線工事が必要となります。
既存の照明器具に安定器が組み込まれている場合、LED照明には安定器が不要となるため、電気が安定器を経由しないように配線工事を行わなければなりません。

また、適切な工事を行わないと、火災や電気ショートの原因となるリスクもあるため、専門の業者に依頼するようにしましょう。

安定器があると配線工事が必要

蛍光灯器具には多くの場合、安定器という電圧を安定させる装置が組み込まれています。
しかし、LED照明は安定器が不要であり、安定器が故障するリスクもあるため、照明の動作不良や寿命が短くなる可能性に繋がります。

また、配線工事を適切に行わないと、電圧の不安定さによる照明のちらつきや、火災の原因となる場合も少なくありません。

そのため、専門業者に依頼して確実に工事を行い、LED照明導入後の安全性を確保するようにしましょう。

配線工事をしないと無駄な電力が発生

LED照明を導入する際に安定器が残っていると、省エネ効果を発揮できず、無駄な電力が発生します。
安定器は蛍光灯のために設計されているため、LED照明では不要な負荷をかけ、無駄な電力が消費されてしまいます。
特に、企業や工場などの大規模施設では、安定器の影響で電力消費が増えてしまうこともあり、結果的に電力コストの削減効果が薄れてしまうでしょう。

また、安定器を使用し続けると、LED照明の寿命が短くなる可能性もあり、せっかくの省エネ効果が感じられません。
そのため、配線工事を適切に行い、無駄な電力を発生させないようにすることが重要です。

オフィスや工場は配線工事が必要

オフィスや工場など、広範囲にわたって照明器具を使用している施設では、LED照明への切り替えで配線工事が特に重要です。
大規模な施設では電気設備が複雑であり、誤った配線や安定器を残したままの運用は火災や停電などのリスクを高めます。
適切な配線工事を行うことで、オフィスや工場のエネルギー効率を最適化し、電力コストの削減も実現できるでしょう。
特に、夜間稼働が多い工場では、LED照明への切り替えによる配線工事で、電力消費を大幅に削減できるメリットがあります。

LED照明への取付工事例

LED照明の取付工事には、いくつかの異なる方法があります。
主に「バイパス工事」と「器具交換」の2つの手法があり、それぞれのケースに応じた工事が必要です。既存の蛍光灯照明器具を利用する場合、安定器を通らないようにするバイパス工事が行われます。
一方で、安定器がついた器具ごと取り外す方が効果的な場合もあり、どの工事を行うか考えることが重要です。
どちらの方法も、専門の電気工事業者による確実な施工が求められ、工事の質によって長期的な省エネ効果や安全性が大きく変わります。

バイパス工事(片側給電式)

片側給電式のバイパス工事は、既存の照明器具の片側に2本の電線を通して電力を供給する方法です。この方式は、器具内に残っている安定器への接続を切断し、LED照明に適切な電力を供給するための工事です。片側給電式は、比較的シンプルな配線作業ですが、正しく作業が行われないと、照明が長期的に使用できない可能性があります。

バイパス工事(両側給電式)

両側給電式のバイパス工事は、片側給電式とは異なり、照明器具の両側にそれぞれ1本ずつ電線を通す方法です。両側給電式は、電力が均等に分配されるため、照明のちらつきや不具合が発生しにくいという特徴があります。
特に、信頼性の高い照明が求められる場所では、両側給電式が選ばれることが多いです

器具交換

器具交換とは、安定器が付いた既存の照明器具を取り外し、新しいLED対応の器具に交換する工事です。この方法では、照明器具ごと交換するため、安定器や既存の配線に関わらず、新しい照明器具がLEDに対応していることを確認した上で導入されます。また、器具交換はバイパス工事よりも手間がかかりますが、長期的には安定した照明が期待でき、メンテナンスコストも削減できるでしょう。

LED照明導入事例

LED照明の導入は、様々な業種や規模の施設で広がっており、ウチダエスコ株式会社では実績も豊富です。
都内病院での施工実績が多く、大規模な施設におけるLED照明への移行を成功させ、消費電力を削減してきました。

ここでは、工事をしている様子やLED照明の導入本数などについて解説していきます。

事例①

1つ目の事例は、2021年に都内の98床を持つ病院で実施されたLED照明の導入工事です。
この病院では、合計605台の照明器具をLEDに切り替える工事が行われました。
LED照明の導入によって、消費電力は約61%削減されており、大幅なエネルギーコストの削減が実現しました。
病院内では、24時間稼働するエリアも多いため、LED照明の長寿命と省エネ効果が大きなメリットとなっています。
また、定期的なメンテナンスの手間も軽減され、患者やスタッフにとって快適で安定した照明環境を提供できました。

Before
After

導入事例②

2つ目の事例は、2021年に都内の120床を持つ病院で行われたLED照明の導入です。
この病院では、928台の照明器具がLEDに交換され、消費電力の削減率は58%に達しました。
照明の交換による省エネ効果は顕著で、病院のコスト軽減に大きな影響を与えています。 また、病院内の照明は患者の安全と快適さに影響するため、LED照明の導入によって、明るく均一な光が提供され、医療環境の改善も期待できます。

Before
After

導入事例③

3つ目の事例は、2022年に都内の199床を持つ病院で実施されたLED照明の導入です。
この病院では、660台の照明器具と1,284本のランプがLEDに交換されました。
LED導入によって、消費電力は約66%削減され、大規模なエネルギーコストの削減が実現しました。
病院施設は常に安定した照明が必要とされるため、LED照明の安定性と省エネ効果は非常に重要です。

失敗しない業者の選び方

LED照明の導入において、最も重要なのは信頼できる業者を選ぶことです。
特に、配線工事が伴う場合は、電気設備の知識や施工経験が豊富な業者に依頼する必要があります。

適切な業者を選ぶことで工事がスムーズに進み、後々のトラブルを防ぐことができます。 また、業者選びの際には、補助金に関する知識やアフターサポートの充実度も確認するようにしましょう。

LED照明の交換実績の有無

LED照明の交換実績が豊富な業者は、多種多様な現場での施工経験を持っており、スムーズな工事が期待できます。
特に、大規模な施設や工場などでの施工経験がある業者は、複雑な配線や特殊な電気設備にも対応可能で、トラブルを最小限に抑えられます。
また、過去の導入事例や顧客の口コミを確認することで、その業者がどのような工事を行っているか確認することが重要です。

経験豊富な業者に依頼することで、工事の質が保証され、後々のメンテナンス費用や再工事のリスクを減らせるでしょう。

補助金や助成金の知識

LED照明導入における補助金や助成金の活用は、最初のコストを減らすために重要です。 補助金の知識が豊富な業者を選ぶことで、スムーズな申請手続きが可能となり、適切なタイミングでの申請や必要な書類の提出ができるようになります。
また、地域や業種によって適用される補助金が異なるため、そのエリアや企業に合った最適な補助金制度を提案できる業者を選ぶことが重要です。

アフターサポートや保証の有無

アフターサポートや保証制度が充実している業者を選ぶことで、長期的なコスト削減が期待できます。照明の不具合が発生した場合や、メンテナンスが必要な際に迅速に対応してもらえるサポート体制は重要です。
また、保証があることで、初期の不具合やトラブルが発生した際の対応コストを削減できます。
特に、大規模施設では、照明が正常に機能しないと業務に支障をきたす可能性があるため、アフターサポートがしっかりしている業者に依頼するようにしましょう。

まとめ

LED照明への切り替えは、環境保護や省エネ、コスト削減などのメリットがあります。
LED照明に移行するためには、配線工事の重要性を理解し、信頼できる業者に依頼することが必要です。
特に、安定器の有無や電気設備の状態によって、バイパス工事や器具交換が必要になるため、専門知識を持つ業者の選定が重要です。

実績豊富で信頼性のある業者を選ぶことで、LED照明の導入がスムーズに進み、電力コスト削減などが期待できるでしょう。

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