2024.02.20

Windows10サポート終了で何が起こるの?迅速に対応すべき理由と対策方法を解説

後継のWindows11は、2021年10月5日にリリースされましたが、いまだにWindows10を使っている企業も少なくありません。Windows10サポートの終了とは、何を意味しているのでしょうか。本稿では、サポート終了後に想定されるリスクと、企業としてなすべき対応について解説します。

Windows10サポート終了とは?

2025年10月14日をもって一部を除くWindows10のサポートが終了します。この期日以降は、発売元のマイクロソフト社による無料のセキュリティアップデート、更新プログラム配布の提供がされません。WindowsのOSは、通常年1~2回バージョンの更新がされてきました。Windows10の最終バージョンは「22H2」となっており、2025年10月14日の更新がサポート最後のバージョンとなります。

それ以前の「21H2」「21H1」は、すでにサポートが終わっているため、念のため確認しておくことが必要です。2025年のサポート終了にともない影響のあるエディションには、Windows 10 Home、Pro、Pro for Workstation、Pro Education、Education、Enterprise、Enterpriseなどがあります。

Windows10サポート終了後に想定されるリスクや問題

Windows10サポート終了後も継続して使うことにより、想定されるリスクや起こり得る問題としては、以下のようなものがあります。

セキュリティリスク

新たなセキュリティの脆弱性やバグに対する修正が提供されなくなり、ウイルスやマルウェア、サイバー攻撃などに対して脆弱になる可能性があるため、注意が必要です。Windowsの更新プログラムが提供されないため、セキュリティホールが未修正のまま残り、脅威が拡大します。

ソフトウェアの互換性

サポート終了後は、新しいソフトウェアやアプリケーションがWindows10との互換性を確保するための対策を講じません。そのため、Windows10のままのPCに新しいアプリケーションやハードウェアを導入すると、問題を引き起こす可能性があります。

法的コンプライアンス

特定の業界や法的規制に従う必要がある場合、サポートの終了に伴うセキュリティリスクやソフトウェアの非対応が法的なコンプライアンスに影響を与える可能性があります。脆弱性を放置したPCの使用は、企業の信頼性を損ないかねません。

サポートコスト

サポート終了後、セキュリティを維持するためには、サードパーティのセキュリティソフトウェアやサービスを導入する必要が生じる可能性が高くなり、追加のコストがかかります。危険性を回避するためには、何らかの独自の手段が必要です。

新しい機能が追加されない

サポート終了後は、Windows10が新しい機能や機能の更新を受けなくなるため、新しいテクノロジーや機能に対応できなくなります。

Windows10サポート終了に向けて取るべき対策は?

Windows10サポート終了に向けた主な対策としては、以下のようなものがあげられます。

Windows11へのアップグレード

Windows10から、新しいバージョンのWindowsにアップグレードすることが最も一般的かつ確実です。同系のOSのため、操作性もあまり変わらず、多くのアプリケーションや周辺機器をそのまま使い続けることができます。アップグレードの方法は、自動更新機能を使うか、公式サイトからの手動ダウンロードです。

Windows11をPCにインストールするための最小システム要件は、以下のとおりです。

  • プロセッサ:1ギガヘルツ(GHz)以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSystem on a Chip(SoC)
  • メモリ:4ギガバイト(GB)
  • ストレージ:64GB 以上の記憶装置
  • システム ファームウェア:UEFI、セキュア ブート対応
  • TPM:トラステッドプラットフォームモジュール(TPM)バージョン2.0
  • グラフィックスカード:DirectX12以上(WDDM2.0ドライバー)に対応
  • ディスプレイ:対角サイズ9インチ以上で8ビットカラーの高解像度(720p)ディスプレイ

またアップグレードをする際には、以下についての考慮が必要です。

・データのバックアップ

アップグレード前に重要なデータのバックアップを行いましょう。予期せぬ問題が発生した場合でも、その後の対応に役立ちます。

・ハードウェアの互換性確認

新しいWindowsバージョンにアップグレードする場合、既存のハードウェアが互換性を持つかどうかを、念のため確認しておくと安心です。アップグレード以外の代替策としては、以下が考えられます。

別のOSに移行する

・Linux

Linuxは、無料オープンソースのOSです。セキュリティが強化されており、カスタマイズ性が高いという特徴があります。ただし、一部のアプリケーションやゲームはLinux上で直接実行できない場合があるため、互換性の確認が必要です。

・macOS

AppleのMacコンピュータに移行するのも選択肢の一つです。macOSは、セキュリティが強化されており、特定のアプリケーションや生産性ツールが利用できます。ただし、マシン自体はWindowsマシンと比較してやや高額となり、導入時にはアプリケーションやハードウェアとの互換性を確認することが必要です。

仮想デスクトップの活用

WVD(Windows Virtual Desktop)は、クラウドベースの仮想デスクトップソリューションです。WVDを利用すると、セキュリティパッチや更新がクラウドプロバイダーによって提供され、エンドユーザーはクライアントデバイスから仮想デスクトップにアクセスできます。

Microsoft Azureの仮想マシン上で提供している仮想デスクトップです。Microsoft365などのアプリケーションとの親和性が高く、使い慣れた画面で利用が可能です。高度なセキュリティ機能を備えているため、情報漏えいやセキュリティ攻撃の脅威への対策としても有効といえます。

企業損失回避のためにWindows10サポート終了に備えよう

Windows10のサポート終了後もそのままの形で使い続けると、企業活動に支障をきたすさまざまなリスクを抱える可能性が高くなります。自社の運用状況を見ながら、早めに対応策を検討しなければなりません。最も確実なのはWindows11へのアップグレードですが、「端末の台数が多く、設定の負担が大きいため、つい先送りになってしまっている」というケースもあります。

ウチダエスコでは、端末調達からの導入準備、展開、その後の運用保守までワンストップ対応で、Windows11の導入支援を行っています。各社の状況にあわせた最適なサービスのカスタム提供を行っており、柔軟な対応が可能です。Microsoftライセンスに関してもご相談いただけますのでお気軽にお問い合わせください。

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