2021.04.12

学習指導要領の改訂で中学・高校の指導要録が新様式に。主な変更点を整理

学習指導要領の改訂で、指導要録のどこが変わる?
『スコーレV3』は、最新様式に保守契約内で対応できます。

学習指導要領の改訂(平成29・30年改訂)が、最終段階を迎えました。中学校は令和3年度に全面実施、高等学校は令和4年度の新1年生から年次進行で実施となります。
改訂に伴い、指導要録の様式が変わりました。中学校では、対応を急いでいる学校もあると思います。移行期間中に対応しておきたいという高等学校も多いのではないでしょうか。

加えて、令和3年2月には文部科学省より、同時双方向型のオンラインなどで学習指導を行った場合、指導要録に記録するよう求める新たな通知がありました。今回は、この最新情報も含め、中学校と高等学校の指導要録の主な変更点を整理します。

何がどう変わった? 中学校、高等学校の指導要録の主な変更点

今回の改訂では、新時代を生きる子どもたちに必要な「資質・能力」である
・知識・技能
・思考力・判断力・表現力など
・学びに向かう力、人間性など
の3つをバランスよく育むことに重点を置いています。
それを踏まえ、中学校と高等学校においてすべての教科の評価方法が、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に基づいて行われることになりました。指導要録で大きく変わったのは、この新しい評価方法に対応する箇所です。

中学校生徒指導要録の主な変更点

(1)各教科の観点欄が3項目に

観点欄が、これまでの4~5項目から3項目に変わりました。以下のABCの3段階で記入する点は変更ありません。

A:「十分満足できる」状況と判断されるもの
B:「おおむね満足できる」状況と判断されるもの
C:「努力を要する」状況と判断されるもの

また、評価結果を総括して5段階で記入する「評定」欄の位置が、観点項目の下部へ移動しています。

(2)「特別の教科 道徳」が新設

「道徳の時間」は、令和元年度から「特別の教科 道徳」に変わりました。それに伴い、「学習状況及び道徳性に係る成長の様子」の記載欄が設けられました。ここには特に顕著と認められる具体的な状況について評価を記入します。

改訂前
改訂後

高等学校生徒指導要録の主な変更点

(1)「観点別学習状況」欄が新設

新たに開始される観点別評価に合わせて、各教科・科目に観点別学習状況の記載欄が新設されました。観点ごとの評価は、中学校と同様に以下のABCの3段階で記入します。

A:「十分満足できる」状況と判断されるもの
B:「おおむね満足できる」状況と判断されるもの
C:「努力を要する」状況と判断されるもの

改訂前
改訂後

(2)「総合的な探究の時間の記録」「特別活動の記録」に「観点」欄が新設

それぞれの項目に、観点の記載欄が新設されました。各学校が定めた評価の観点などを記入します。
特別活動の評価方法は、これまでの文章記述式が見直されました。評価の観点に照らし、十分満足できる活動状況にあると判断される場合、○印を記入します。

改訂前
改定後

ウチダエスコの校務支援システムである『スコーレ』をお使いの先生方に話を伺ったところ、高等学校では令和4年度からの年次実施に向けて、対応を検討し始めている学校が多いようです。
新しく始まる「観点別の学習状況の評価」については、「どのように評価を行っていくか検討している」「近隣の学校の状況も見てから判断したい」とのことでした。定期テストに「知識・技能」や「思考・判断・表現」を問う問題を設けて、それぞれの点数を観点別評価の基準にすることを考えている、という学校もありました。

令和3年2月通知の最新情報。
指導要録に、「非常時にオンラインを活用して実施した特例授業の記録」を追加。

新型コロナウイルス感染拡大により、オンライン授業が全国的に普及しました。非常事態宣言下でも学習を続けるため、実施した学校も多いのではないでしょうか。

オンライン授業については、令和3年2月19日に文部科学省から、2文科初第1733号「感染症や災害等の非常時にやむを得ず学校に登校できない児童生徒に対する学習指導について(通知)」という通知がありました。非常時にやむを得ず登校できない生徒に対し、オンラインを活用した学習指導を実施したと校長が認める場合、「指導に関する記録」の別記として、「非常時にオンラインを活用して実施した特例の授業等の記録」を作成し、指導要録に追加することになります。
中学校、高等学校ともに令和3年4月1日から実施となっています。

中学校の参考様式
高等学校の参考様式

『スコーレV3』は新しい指導要録に保守契約内で対応可能。
追加変更にも順次対応しています。

今回のように指導要録が変わったり、新たな様式が追加になったりすると、指導要録を校務支援システムで作成している場合、レイアウトを新様式に合わせる、新たな様式を作るといった対応が必要です。しかし、お使いの校務支援システムによっては、別途でカスタマイズ料金が発生することもあります。

『スコーレV3』なら、学習指導要領改訂への対応を年間保守契約内で行うことができます。文部科学省からの追加事項など最新情報を取り入れながら、順次新しい指導要録に対応していきます。

令和2年度は、帳票類について以下の対応を年間保守契約内で行いました。
・令和3年度入試から様式変更された高等学校の調査書に対応
・高等学校の指導要録に、「総合的な探究の時間」「特別な活動の記録」の観点欄を追加
・中学校の指導要録に、「特別の教科 道徳」の項目を追加

また、より使いやすいシステムの提供を目指し、ユーザーのみなさまからのご意見も大切にしています。
以前行ったユーザー校へのヒアリングでは、高等学校の調査書の「指導上参考になる諸事項」の欄が、様式変更により3枠から6枠へ増えたことに伴い、指導要録の「総合所見及び指導上参考となる諸事項」の欄の枠数が、調査書と一致していると助かる、という声をいただきました。同じ形式なら、指導要録から調査書へ所見の複写がしやすくなり、調査書作成がスムーズに行えるからです。

このようなご要望を受け、『スコーレ』で提供する指導要録の所見欄は、文科省が示す参考様式の1枠版に加え6枠版も提供する予定です。指導要録と調査書の所見欄を相互に複写することも可能です。令和4年度に向けて、開発を進めています。

調査書の所見欄
指導要録の所見欄(対応予定)

まとめ

学習指導要領の改訂に伴う、中学校と高等学校の指導要録の主な変更点をご紹介しました。

「改訂を機に、今の校務支援システムを見直したい」という学校もあるかと思います。
校務支援システムの導入には、意外と時間がかかります。カスタマイズを一切せずに導入する場合でも、システムに登録する学校基本情報の最終確認、インストールや環境設定、初年度のマスタ・データ作成などで、ご発注から本格稼働までに約半年間必要となります。
カスタマイズがある場合には、さらに時間がかかります。学内のコンセンサスを得たのち、弊社とのご要望の打ち合わせを行い、そこからシステム開発期間を要するためです。場合によっては、1年以上かかることもあります。

システムの導入やリプレースをお考えの場合は、ぜひお早めにご相談ください。

お役立ちコラム
校務支援システムの導入のポイントとは?

校務支援システムを導入したのに、「想定していた使い方ができない」「できると思っていたことができなかった」などといった理由で、システムの見直しを考えている、という話をよくお聞きします。これまで数多くの校務支援システム「スコーレ」の導入に携わってきた弊社の営業担当者とSE担当者の経験を基に、学校の教員や職員の皆様に向けて「校務支援システムをスムーズに導入するために、これだけは知っておいていただきたいこと」をまとめました。詳しい内容をご希望の方は下記よりダウンロードください。

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