東北学院中学校・高等学校 様
校務支援システム スコーレV2の導入事例
2018.07.10

校務支援システム「スコーレ」導入は学校改革のチャンス!
独自の工夫でより効率的なシステム運用を実現

個人情報の管理や成績処理など、増える一方の事務処理。作業を担う一部の先生に負荷が偏り、システムとして機能しなくなる可能性があったという東北学院中学校・高等学校は、学校法人全体のシステムの見直しを機に、校務支援システム スコーレを導入しました。
「システムに合わせて学校の文化をカスタマイズすることが必要」と語るのは、同校・図書情報部長の新田晴之先生。「学校改革」の視点からスコーレを活用されている同校を訪ね、お話を伺いました。


人の手作業によるミスや重複を解消するため、校務支援システム導入へ

図書情報部長の新田晴之先生

同校が校務支援システム スコーレを導入する前、生徒の個人情報処理や成績処理などは、表計算ソフトやデータベース管理システムなどを使って教員各自がそれぞれに行っていました。それらのデータのとりまとめから、運用・保管といった膨大な作業は、情報システム部に所属する一部の先生の努力に一任されていたといいます。

「例えばクラス編成作業に利用するために、生徒情報のファイルは毎年作り替える必要があります。前年度のデータと紐づくようにIDでデータを管理するなど、本来システムで行うべきところを、人間の頭の中と手作業とで管理していたので、ミスや重複も多かったですね。個人の作業をシステムに置き換え、継続的に運用できるようにしなくてはならない、という課題がありました」

ちょうど学校法人全体でシステム更新をする時期だったこともあり、その一環として、校務支援システムを導入することになりました。
システムの選定に際しては、どのような点を重視したのでしょうか。


カスタマイズによって保健の帳票出力や事務室との連携を効率化

「まずは、必要に応じてプログラムをカスタマイズオーダーできることを重視しました。他社のサービスには、自由自在にシステムを加工できるものもありました。でも、それだと現状と変わらない。つまり各自で自由にフォーマットを変えることができると、誰が何をカスタマイズしたのか分からなくなる可能性が考えられました。学校のニーズに合わせてカスタマイズ対応できることも大切ですが、一方でシステムの中枢には触らないで済むシステムであることも重視して、スコーレを選びました」

同校が特にカスタマイズを要望したのは、次の2点です。

保健関係のデータ管理

中学校・高等学校合わせて約1600人の生徒が在籍する東北学院。身体測定のデータ管理をはじめ、健康診断後の治療勧告書などの印刷や保護者への通知が煩雑で、養護教員の負荷がとても高くなっていました。
スコーレの導入によって、健康診断の結果から治療勧告書が自動的に出力できるようになり、保護者への通知も迅速かつ漏れやミスがなくできるようになったといいます。

事務室との連携

朝、保護者から欠席連絡が入ると、その内容を事務スタッフがメモ書きして各教室まで届けていました。生徒数が多いため電話の本数も多く、担任にメモが届くまでにタイムラグが発生し、メモを見る前に担任が保護者に出欠確認の電話を入れる、といった行き違いもたびたび発生していました。
スコーレ導入後は、欠席連絡を受けたら、スタッフがパソコンから欠席情報を入力。担任は授業が始まる前にシステム上で出欠席の状況を確認することができるようになりました。事務室のスタッフがメモを各教室に届ける手間が省け、連絡が行き違うといったトラブルも解消されました。
また生徒情報の一元管理ができるようになり、事務職員と教員間の仕事の効率化が図れました。


スコーレ導入で、教員は「本来やるべき仕事」へ注力

担任を持たれている先生方にはどのような変化があったのでしょうか。

以前は表計算ソフトを使って手作業で行っていた大学受験の合格・不合格の集計や、通知表の作成、指導要録、入試関連の資料も、システム上で一元管理できるようになりました。指導要録などは、以前は全員分の作成に数日かかっていましたが、今はしっかり時間をとることができれば、1日で終わります。教員一人一人の負荷の差は若干あるものの、以前よりだいぶ平均化され、全体としては事務作業の削減に成功しています」

システムの活用によってできた時間は、生徒や保護者との面談、教科指導の準備といった、本来教員が行うべき業務に充てることができ、当初の目的が達成されたといいます。

「仕事の量は変わらないですが、質的に向上しました。導入前、教員たちはシステムに対する期待よりも、むしろ活用イメージが湧かないことからくる不安の方が大きかったんです。導入してみて、確実に便利で効率的になったのですが、それが今は当たり前のレベルに定着しています」


独自の工夫でより効率的な運用を実現

同校では、導入後の運用をよりスムーズに進めるため、次の2点で独自の工夫を行っています。

現場に即した操作マニュアルを自校で作成

「操作マニュアルもあったのですが、どちらかというとシステム寄りの内容だったんです。そこで、誰でも簡単に校務支援システムを活用できるよう、より現場に則した手順書を自校作成しました。利用者側に合わせた手順書の制作は、ウチダエスコさんにこれから期待したいところです」

メーリングリストによる情報共有

同校のシステム担当の先生をはじめ、内田グループの営業担当やSEなど、関係者全員が参加するメーリングリストを作成し、情報を共有できる体制をつくりました。学校から内田グループにトラブルの相談などをしたときに、もし返信が遅くても複数の目で見ているので誰かがフォローできるという安心感と、同じような相談が重複しないというメリットがあります。

「急を要する場合はリモートコントロールでの対応をお願いすることもありますが、ほぼ100%、メーリングリストでの相談体制でクリアできています。運用で困っていることはないですね」


校務支援システムの導入を、学校改革のチャンスに!

最後に新田先生に、これから校務支援システムを導入しようとしている学校へのアドバイスを伺いました。

「システムの導入は、学校の中身を整理する大チャンスです。学校に合わせて校務支援システムをカスタマイズするという考え方もありますが、システムに合わせて学校の文化をカスタマイズする、つまりそれまで続いてきた面倒な仕組みや古い決まりごとを見直すチャンスでもあるのです。校務支援システムの導入は、業務の効率化だけでなく、“学校改革“の機会としてとらえることができると思います」

その意味でも、システムを開発する会社との事前ヒアリングや打ち合わせを入念に行い、要件定義から設計、テストといった段階を丁寧に踏むことが重要だと、新田先生は話します。

「納期にとらわれるあまり、基本的な作業を怠ると、後々のトラブルのもとになります。当たり前の手順を確実にこなしていくことがシステム開発には大切。そのためには開発を担当する企業に学校の要望をしっかりと伝え、開発の段階を一つ一つクリアしていくというステップがとても重要だと感じました」

また、今後は、校務支援システム上で管理している「調査書」と、大学入試に向け生徒が作成する「ポートフォリオ」とを、どうマッチングさせていくかが課題だといいます。

「学習指導要領の改訂や高大接続改革など、文部科学省の教育改革が進み、学校もそれに対応していかなくてはなりません。これらの動きに合わせて、柔軟に対応してもらえる校務支援システムを望んでいます」

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学校の紹介 キリスト教の3L(LIFE,LIGHT,LOVE)精神に基づいた教育によって、国際的に活躍し、社会に貢献できる生徒を育てている。中学・高校とも多くの生徒が文武両道を目指し、高校ではさらに進学を視野に入れて勉強に力を入れる学生が多い。近年は学校改革により、さらに進路指導に力を入れている。

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