サレジアン国際学園世田谷中学高等学校 様
【インタビュー】ICT教育事例
2024.06.11

生徒たちがロジカルに考え、自ら結論へと導く問題解決型の授業に最適な学習空間を構築

2023年4月に校名を変更し、新たな一歩を踏み出した「サレジアン国際学園世田谷中学高等学校」様。男女共学化とインターナショナルクラスの開設を中心とした学校改革が行われ、知識を詰め込むだけの授業ではなく、自ら問題を分析して課題を解決することを重視したPBL(=Problem Based Learning)型の授業が全教科で取り入れられました。それに伴い、よりPBL型の授業に適した学習空間を構築するべく、コンピューター室のリニューアルを実施。学習内容にあわせてフレキシブルに教室のレイアウトを変更でき、大画面を使用したプレゼンテーションも可能な『Future Class Room(フューチャークラスルーム)』を導入されました。Future Class Roomの導入に至った経緯と、導入によって得られた効果を入試広報部・ICT機器担当の内藤先生に伺いました。

(2024年2月取材)

“発表”ではなく“プレゼンテーション”を行える空間に

生徒たちが主体となって思考や表現を実践的に学ぶPBL型の授業では、ディスカッションやプレゼンテーションの機会が多く設けられています。そのため、グループワークやプレゼンテーションが行いやすい環境と、ICT設備が整えられた学習空間の構築は必須でした。また、5教科だけではなく全教科においてPBL型授業を採用していることから、教室利用の重複も考慮し、プレゼンテーションを行える空間を複数用意する必要がありました。


「以前のコンピューター室は、固定式の机を横に並べて、各席に1台デスクトップ型のPCを置くという、いわゆる従来型のパソコンルームでした。PCとPCの間に先生用のPC画面を映すモニターがあり、それを見て先生と同じように操作するというような形で授業を進めていたため、自ら探究を進めるPBL型の授業で利用するのには十分な環境とはいえませんでした。Future Class Roomの存在は以前から知っていたのですが、学校改革を進めているタイミングで改めてウチダエスコさんから情報を提供してもらい、これから注力していくPBL型の授業に最適なのではないかという思いを強めたのです。大学や高校等の事例等を見せてもらいながら空間設計も提案いただき、コンピューター室と音楽室をリニューアルする形で導入に至りました」

入試広報部・ICT機器担当の​内藤先生

自由度の高い設計で、授業以外の利用にも対応

『Future Class Room』のメリットについては、以下の3点が挙がりました。

教室のレイアウトを自由に変えられる

さまざまな教科や授業のスタイルに対応できるように、キャスター付きのテーブルとチェアを採用。講義スタイルで行う通常の授業の際はテーブルを縦横に整列し、グループでディスカッションを行う際はグループごとに向き合う形でテーブルを配置するなど、時間や手間を掛けずスムーズにレイアウトを変更できます。

「通常の授業からグループワークに切り替える場合も、サッとレイアウトを変えられるのが便利ですね。計6台設置されたプロジェクタを使って、最大6グループまで、それぞれのグループごとに映像を映し出して情報を共有できる点も、探究を中心としたPBL型授業に適していると感じています。直感的に操作できるので、生徒たちも難なく使いこなせています」

計6台のプロジェクタを使ってワイドでダイナミックな映像を投影

プレゼンテーションをする「場」ができている

前面に4台と左右の壁側に1台ずつプロジェクタを設置。前面の4台は2画面を横連結できる仕様とし、ワイドでダイナミックな映像の投影が可能です。左右の壁側は天井ギリギリまで投影できる大画面で、後方の席に座っていても文字や映像をしっかり認識することができます。

「小さなモニターや黒板に資料を映し出してプレゼンテーションをするのがスタンダードなスタイルだと思いますが、Future Class Roomには壁面いっぱいに投影してプレゼンテーションをする“舞台”が整えられています。“舞台”があることで適度な緊張感が生まれるとともに、プレゼンテーション後の達成感を得ることができるのです。そういった経験を積んでいくことで、理論的な探究の必要性を実感し、自分の考えを自分の言葉で伝える力を養ってくれればと考えています」

壁面いっぱいに​投影して​プレゼンテーション

授業以外でも多目的に利用できる

コンピューター室をFuture Class Roomにリニューアルするのと同時に、音楽室の多目的教室化を実施。グランドピアノを配置しながら、教室の前方・後方の壁を全面スクリーン化し、プレゼンテーション環境を整備。音楽室としての利用はもちろん、Future Class Roomの利用予約が埋まっているときの補助的な空間として活用されています。

「ピアノにスポットライトを当てられるようになっていたり、テーブルの天板色やカーテンを他の教室とは違う仕様にしたりと、モノトーンで統一されたFuture Class Roomとは違った雰囲気のオシャレな空間となっています。学園祭で開催されるミニコンサートの会場としても利用でき、多目的な空間として活用の幅が広がります」

Future Class Roomとは違った雰囲気のオシャレな空間
スポットライトも当てられるグランドピアノを配置

さまざまな角度から活用の幅を広げていきたい

今後はどのように『Future Class Room』を活用していきたいか、内藤先生に伺いました。

「学校改革後の1期生となる生徒たちは、より高いレベルを目指して、普段の授業とは別にゼミの活動に取り組んでいます。1期生はFuture Class Roomを当たり前の存在として使いこなしていますし、自由度の高いFuture Class Roomの空間はゼミでも効果的に使用できると思うので、幅広く活用していければと思います。また、地方にグループ校があり、オーストラリアにはサレジアンカレッジという兄弟校があるので、Web会議システムを利用して相手の教室を大画面に映しながら、オンラインの合同授業を展開できればと考えています」

お客さまについてCLIENT

サレジアン国際学園世田谷中学高等学校様

サレジアン国際学園世田谷中学高等学校 様

ホームページ https://salesian-setagaya.ed.jp
所在地 〒157-0074 東京都世田谷区大蔵2-8-1
学校の紹介 東京都立砧公園に隣接し、都市部にありながら豊かな自然を身近に感じられるエリアに立地。全教科に取り入れたPBL型授業と、中高一貫教育の充実したカリキュラムにより、グローバルな社会に対応し「世界市民」として活躍するために必要な能力を養う。

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