事例紹介 オフィス設計
大興電子通信株式会社 様
Episode:3

難しい「居ながらリニューアル」をスムーズに実行
ウチダエスコが果たした役割は?

2022年の創立70周年に向け、オフィスリニューアルを決断した大興電子通信株式会社様。リニューアルにあたり、移転ではなく、今いる場所で通常業務を続けながら改装する「居ながらリニューアル」をすることになりました。リニューアルプロジェクトに関わった大興電子通信とウチダエスコによる対談の第3回は、移転に比べて格段に難しい「居ながらリニューアル」をスムーズに乗り切った秘訣や新オフィスのアピールポイントなどについて取り上げます。

社員の利便性と、地域とのつながりを大事にしたいから、
難しい「居ながらリニューアル」をあえて選択

Q. なぜ、移転ではなく、「居ながらリニューアル」を選んだのでしょうか? 難しかったのではないかと思いますが、スムーズに進めるための工夫についても教えてください。

大興電子通信 間渕氏

間渕氏: 移転はコスト面でのハードルが高いだけでなく、社員への影響が大きくなります。例えばここに通勤する前提で住居を決めた社員もいるでしょうから、移転するなら近隣で探す必要があります。しかし、飯田橋で同じ規模の物件を探すのは難しいし、地域とのつながりもあります。大家さんには苦しい時には助けてもらいました。経営が安定したからといって、「さようなら」はできませんから、移転はシミュレーションしたものの最終的には選択肢から外しました。

北村: 「居ながらリニューアル」の難易度は移転と比べると圧倒的に高くなります。3フロアで600人もの方たちが働いている大規模なリニューアルですので、万が一、何かが起きて業務に支障をきたすことになったら大変なので、不安はありました。
工事は2020年2月に始まったのですが、スタート直後に新型コロナウイルス感染症が広がり、在宅勤務が推奨されるようになりました。工事も引っ越しも密を避けることとなり、スケジュールや工程の軌道修正をせざるを得なくなりました。対策会議を日々開催していましたので、なんとか8月初旬までに完了できました。

澤田:最初に手を付けたのは8階です。一部署の方たちに別の建物に引っ越してきただき、空いたスペースのリニューアル工事を実施しました。完成したら、次に工事を行うスペースで業務を行っている部署の方々に移動してきてもらいました。いわゆる「トコロテン方式」です。これを数回分けて実施し、最後に別の建物に引っ越していた方たちに戻ってきていただきました。加えて、業務の関係で、「サーバを移動できるのはこの日だけ」というようなピンポイント指定がある作業も複数あったため、調整に苦労しました。

成功に向けて留意したのは、コスト管理とスケジュール管理、
そして、綿密なコミュニケーション

Q. オフィスリニューアルは予定通り進んだのでしょうか?スムーズに進めるためにどのような工夫をしましたか?

間渕氏: 新型コロナウイルス感染症が発生し、密を回避するために一部の工事スケジュールの変更を余儀なくされましたが、1カ月程度の延伸でおおむね当初の予定通り進みました。ウチダエスコのみなさんが綿密に工事スケジュールを調整してくれたおかげと考えています。

ウチダエスコ 北村

北村:私は、コスト管理とスケジュール管理、そしてコミュニケーションを綿密にすることに、特に留意していました。提示されたコストを逸脱しない範囲で要望をどこまで取り入れられるかが悩んだポイントです。スケジュールについては、大規模なリニューアルの場合、最初から決まっているケースはなかなかありません。今回も、工事を進めながら決め、その都度、大興電子通信の皆様にも調整をお願いしながら乗り切りました。
そして、最も大事なのがコミュニケーションだと感じました。大興電子通信とウチダエスコの両社が集まる定例会議は、2019年7月から2週に1回のペースで実施しました。定例会議の間には、ITや家具の仕様を決めるための分科会や、営業など各部門の方たちと話すための分科会なども実施しました。いつまでに、誰が、何を決める必要があるのかを整理し、遅れている案件があれば、状況を確認したり、決定をお願いしたりしていました。

小林氏:ウチダエスコのみなさんが緻密に計画・実行してくださっていたのに、現場から引っ越し直前に「レイアウトを変えてほしい」というリクエストが出たこともありました。無理なお願いだったのではないでしょうか。

北村:建前としては、直前の変更は「できない」とお断りすることなのですが、実際は、多くの現場でそれなりに発生します。図面ではうまく配置できているように見えても、オフィスにデスクや収納家具が並んではじめて実感できることもありますから、ある程度は想定内です。ご要望には、できるだけ柔軟に応えるようにしています。

大興電子通信 源氏

源氏:今回のプロジェクトには、当社が手配した協力会社7社とウチダエスコの協力会社、ビルの管理会社と、多くが関わりました。ウチダエスコは、それらすべての管理・監督を能動的に引き受けていただき、非常に助かりました。信頼関係があったからこそ成立したと思っています。

オフィス家具選定には、若手社員も参加
こだわりのデザインに、社員からは「大興らしくない!」との声も

Q. オフィスのアピールポイントを教えてください。

小堀:オフィス家具は内田洋行のフェアに行き、実物を見て選んでいただきました。長く使うものなので、選定には若手の社員にも参加していただき、10年後、20年後もこの会社にいる若手が居心地よいオフィスにしたかったのと、「一緒に選んだ」「オフィス作りに参加した」と感じていただきたいという意味合いもありました。

大興電子通信 小林氏

小林氏:選んだデスクやチェアは、役員と本部長以外は、全社員同じものです。組織変更があっても柔軟に対応できることを重視しました。社員から要望が多かった「モダンさ」と「温かみ」のあるオフィスにもなりました。デザインもこだわりが感じられ、気に入っています。社員からは「すごい!」と感動した声や、以前とのギャップに「大興のオフィスではないみたいだ」と戸惑う声もあがりました。

間渕氏:私はオフィスの物理的な課題としては2つのことを実現したいと思っていました。1つは当社の経営方針である社員満足度向上という観点で社内の一番快適な場所を社員に使ってもらうこと。もう1つはオフィスに訪れた社外のステークホルダーに「大興電子通信って、いい会社だな」と思っていただくことです。新型コロナウイルス感染症の影響によりリモートワークの拡大により当初の想定と変化した箇所はありましたが、完成したオフィスは、課題を両方とも実現した魅力のある場所になったと考えています。特に従来、幹部社員のデスクが並んでいた窓際に、ファミレス席やガラス張りの1on1ミーティング室などを設けました。リニューアル後、明るい日差しのもと社員がコミュニケーションを取っているのを見るたびに、非常に良かったと思っています。

■ 主要プロジェクトメンバー
  • <大興電子通信株式会社>
    間渕剛志氏:理事・コーポレート本部 副本部長
    源栄一氏:インフラビジネス本部 エンジニアリング部 副部長
    小林正樹氏:コーポレート本部 総務グループ チーフ

  • <ウチダエスコ株式会社 オフィスシステム事業部 第1営業部>
    北村典大:営業課 課長(プロジェクトリーダー)
    澤田忠:設計企画課 課長(一級建築士・デザイナー)
    小堀正和:営業課 課長代理(営業担当)
    楠本浩昭:設計企画課(現場管理者)

【無料】オフィスの「居ながら」リニューアルの秘訣

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・リニューアルの手順
・リニューアル・移転、それぞれのメリット・デメリット
・リニューアル・移転、コスト比較

フリーアドレス

集中デスク

窓際カフェスペース

POINT

執務室は「働き方の多様化と居心地の良さ」にフォーカスを当てました。
作業に集中できる個人デスクや会社の組織変更にも対応できるフリーアドレスなど、 仕事内容に応じて自由に働く場所を選べるワークスペースを構築しました。
また窓際にはファミレス席・カフェスペース・1on1ルームを設け、社員同士のコミュニケーションが円滑にできる空間を創りました。

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