事例紹介 オフィス設計
大興電子通信株式会社 様
Episode:2

“あるべき姿”を反映したオフィスにするために、
現場の社員を巻き込んでワークショップを開催。

2022年の創立70周年に向け、中期経営構想「D’s WAY」を掲げた大興電子通信株式会社様。大興電子通信のあるべき姿を考えるなか、オフィスリニューアルをすることが決まりました。ビックプロジェクトに携わった大興電子通信とウチダエスコの主要なプロジェクトメンバーによる対談の第2回は、大興電子通信が目指したオフィス像や、社員を巻き込んで開催されたワークショップの内容などについて取り上げます。

オフィスの中で一番快適なところは社員に使ってもらいたい。

Q. どのようなオフィスをめざしたのでしょうか?

大興電子通信 間渕氏

間渕氏:オフィスリニューアルは、当社が掲げた中期経営構想「D’s WAY」の一環です。「しあわせを追求するICTサービス企業」として、働く人が主役になるオフィスをめざしました。具体的には、オフィスの中で一番快適なところは社員に使ってもらうようにしました。そして、ステークホルダーに大興っていい会社だなと思ってもらえるオフィスにすることが、私のなかではメインテーマでした。

小林氏:総務の立場からは仕事の効率化やモチベーションアップ、生産性アップにつながるオフィスにしたいと思っていましたね。

源氏:私は、新しいICTなどの技術を採用し、未来のオフィスを想像させるような場所にしたいと考えていました。見本となるような内装や設備を取り入れ、お客さまに見学してもらい、ワクワクしてもらえるようなオフィスのモデルルームのような場所です。

北村:源さんは当社に理想のオフィス像をいろいろ伝えてくださいましたが、すべてを実現するとなると予算を超えてしまいます。 私は最初の予算をお聞きしていますので、大きく超えるような提案をするわけにはいきません。源さんの目指す理想像は理解しておりましたので、できるだけそれに近づけつつ、できないことに対しては代案を付けて提案をいたしました。

ワークショップを通して「新しいことが始まる」ワクワク感を社内醸成

Q. オフィスリニューアルにあたり、ワークショップを開催したと聞いています。どのようなことを意図して実施したのでしょうか?

澤田: オフィスリニューアルの場合、以前は、レイアウト図を書いて、「ここに何人座れるようにしましょう」「お聞きした課題は、こんなふうに解決できますよ」というような提案をしていたのですが、課題や要望を盛り込むだけだと“不満の解決”にしかならないんです。 特に大興電子通信様の場合、「D’s WAY」という大きな方針のもとでのオフィスリニューアルです。「D’s WAY」が提示している「目指す姿」をイメージしたうえで、オフィスをどのような場にしたいのかをみなさんで議論してほしかったのです。
そんな意図をもって、ワークショップを開催していただきました。そして、ワークショップの中から出てきたことを基本計画に盛り込み、要件定義をして、基本設計を組み立てました。

大興電子通信 小林氏

小林氏:澤田さんが言うように、ただ要望を聞くだけだと、社員のエゴが出てきます。要望のなかには、「収納は削減したくない」「ワゴンやキャビネットがほしい」というものもありました。でも、プロジェクト全体の方針として「ペーパーレス」を掲げていましたから、どんなに強い要望があっても、「収納を増やしましょう」とはなりません。こんなふうに、オフィスリニューアルをどういう方針で進めていくかを周知する大切さを感じました。

源氏:これからの当社を担う若手社員や女性のアイディアを聞いて自分たちの使うオフィスのイメージを描いてもらいたい。
それに、ワークショップという形で各部署の意見を聞く場をウチダエスコに作ってもらったのはよかったですね。ワークショップを通して、オフィスに対するイメージが固まったし、「みんなで一緒にオフィスを作り上げた」という気持ちにもなりました。

間渕氏:ワークショップは3回開催しました。各事業部の代表15人ほどが集まり、他のスタッフの意見を持ち寄りました。本社メンバー以外の人もWeb会議で参加してもらいました。現場を巻き込んだことで、「新しいことが始まるぞ!」という意識の醸成にもつながったと感じています。

先進的で遊び心のあるオフィスにしたい。
ウチダエスコのデザイン力に感銘!

Q. オフィスリニューアルに対して、ウチダエスコの提案はいかがだったでしょうか?

大興電子通信 源氏

源氏:私の勝手なイメージですが、ウチダエスコはカチッとしたオフィスを作るのが得意というイメージがありました。だから実は、私たちが求める先進的で遊び心のあるオフィスは大丈夫かな、と心配していました。特に、会議室。昭和っぽくしたくなかったんです。 そこで、いろいろなところの事務所を見学し、いいなあと思うところは写真を撮って、こんなオフィスにしたい、という意見をウチダエスコにどんどん伝えました。内田洋行のライブオフィス(※)には、プロジェクトメンバー全員で行きましたね。
おかげで、私たちの要望をくみ取ってもらえ、とてもよいデザインのオフィスになりました。
※内田洋行の社員が実際に働いているオフィスを見学できます。

間渕氏:正直、私は密かに、デザインだけは他の会社に頼もうと思っていました。でもまずは、ということで、試しに澤田さんに、ここのイメージをこんな感じで作ってください、とお願いしたら、素晴らしいデザインがいくつも出てきたんです。感銘を受けました。当社の実情を知っていて、これだけのデザイン力があれば、他に出す必要はないという結論に至りました。

ウチダエスコ 澤田

澤田: お褒めいただきありがとうございます!
受付は本社のある「神楽坂」をイメージしてほしいということだったので、木を使った和モダンなデザインをご提案しました。社名のサインは焼き杉を使っています。天井と左側のスリットの間接照明には杉材です。竹を模した照明や人工竹を置き、ベンチの後ろは白い玉砂利を敷きました。ナチュラルさとホッとできる温かさを大事にしています。気に入っていただけてよかったです。

■ 主要プロジェクトメンバー
  • <大興電子通信株式会社>
    間渕剛志氏:理事・コーポレート本部 副本部長
    源栄一氏:インフラビジネス本部 エンジニアリング部 副部長
    小林正樹氏:コーポレート本部 総務グループ チーフ

  • <ウチダエスコ株式会社 オフィスシステム事業部 第1営業部>
    北村典大:営業課 課長(プロジェクトリーダー)
    澤田忠:設計企画課 課長(一級建築士・デザイナー)
    小堀正和:営業課 課長代理(営業担当)
    楠本浩昭:設計企画課(現場管理者)

リニューアル前

受付
Entrance

リニューアル後

POINT

エントランス正面にある社名のサインには焼き杉を、天井と左側壁面のスリット間接照明には杉材を使用し、杉素材の風合いを活かしたデザインを施しました。 また竹を模した照明や、壁際の床に白い玉砂利を敷き、エントランス全体から神楽坂の和モダンな雰囲気が感じられる”魅せる受付”を創りました。

会議室
Conference Room

リニューアル前

リニューアル後

POINT

役員会議室は、ダークな色調とダウンライトを多用することで室内に重厚感を出しつつ、床にオレンジ色のアクセントを入れることで、明るくスッキリとした空間にしました。 その他の会議室は近代的な印象にするために世界都市をコンセプトとしたデザインを施し、一つひとつ異なる雰囲気に仕上げました。

大興電子通信は、移転ではなく、業務を続けながらオフィスを全面改装する方法を選びました。第3回は「いながらリニューアル」の難しさについて取り上げます。こだわりがたくさん詰まったオフィスもご紹介します。

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