事例紹介 オフィス設計
大興電子通信株式会社 様
Episode:4

風土やカルチャーが変わった!
オフィスリニューアルがもたらした変化とは?

2022年の創立70周年に向け中期経営構想「D’s WAY」を掲げ、オフィスリニューアルを決断した大興電子通信株式会社様。2019年7月から始まったリニューアルプロジェクトは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、2020年8月に無事完了しました。新しいオフィスで業務を始めて約3カ月。職場にもたらした変化やオフィス活用の今後の展望などについてお聞きしました。

オフィスリニューアルを機にペーパーレスへ移行
ただいま、ワークフローの見直しが進行中

Q. リニューアルが完了して3カ月たちました。リニューアルはオフィスにどのような変化をもたらしましたか?

(※2020年11月取材時点)

間渕氏: リニューアルで意識したことのひとつが「ペーパーレス」です。「紙の書類をもたない」ことを強く意識付けするために、個人所有物の保管場所は小さなロッカー1つとしました。抵抗は大きかったですが、モノを徹底的に削減しないといけない環境を作りました。会社全体の物量が半分くらいになったのではないでしょうか。おかげで複合機の前に順番待ちで社員が並んでいるのをほとんど見なくなりました。ペーパーレスに伴い、現在、ワークフローの見直しが進んでいます。生産性や効率はこれからどんどんよくなっていくものと期待しています。

源氏 これまで社員がさっと集まって話し合える場所がなかったのですが、リフレッシュエリアやコミュニケーションエリアなど、打ち合わせ用のスペースがたくさんできました。特に人気があるのはファミレス席と呼ばれるスペースです。社員が打ち合わせに活用しているのを見るたびに、作ってよかったと感じています。

左から大興電子通信 源氏、間渕氏、小林氏

小林氏: リニューアルにあたり、オフィスにBGMを導入しました。ヒーリング系の音楽をオフィス全体に流しています。耳障りになることを危惧する声もありましたが、アンケートを実施したところ、3割が「生産性が上がった」と回答。約7割は「気にならない」「よくわからない」という回答でした。できるだけ邪魔にならない音楽を選んだので、「気にならない」という回答が多いのは、嬉しい結果でした。
個人的にもBGMはとても気に入っていて、今では「音楽がない状態」が想像できないほどです。BGMは20時になると止まります。残業中に突然シーンとなるのが今となっては居心地が悪く感じるようになり、BGMが止むことが帰宅の合図になっています。

間渕氏: D’s WAYのめざすところは、利他的に社会に貢献すること。利己的ではなく、利他的です。
オフィスリニューアルを通して、ことあるごとに「全社的な視点での最適化や利他的な思考をもてるようになろう」というメッセージを発信してきました。まだパーフェクトではありませんが、徐々に社員のマインドが変わってきたと感じています。

想定外だった新型コロナウイルスにも、
10年先を見据えていたから対応できた

Q. 当初の想定とは異なったことはありますか?

間渕氏: フリーアドレス制は受け入れられないのではないかと思っていましたが、意外にもスムーズに移行できました。例えば営業部門は、現場に出る社員が多いので、全員分の座席は必要ありませんが、慣例で用意していました。しかし、よく考えてみると会社にいる時間が短い社員のために常時座席が用意されている状態は非効率です。議論を重ねるなか、社員に「フリーアドレス制はこのような非効率な状態を解消できるシステムである」という共通認識ができたことで、スムーズに受け入れられたのだと思います。
ただ、新型コロナウイルスにより在宅勤務の促進や密の回避などがあり、当初想定していた状況と変わってしまいました。アフターコロナになっても、以前と全く同じ状態に戻ることはないでしょう。オフィスをどのように活用していけばよいかは、今後も継続的に取り組むべき課題だと思っています。

小林氏: 在宅勤務が一気に進み、Web会議が急激に増えました。以前であれば対応できなかったと思いますが、10年先のワークスタイルの変革を見据えたオフィスにしたおかげで、問題なく対応できています。
ただ、Web会議の浸透が想定以上だったため、最近では、「Web会議の音で仕事に集中できない」とか、「他のWeb会議の音がWeb会議の邪魔になっている」といった声も聞こえています。今、対策をウチダエスコと一緒に考えているところです。

オフィスがどうあるべきかは、リニューアル後も考えるべき永遠の課題

Q. リニューアルしたオフィスを今後、どのように活用したいと考えていますか?

間渕氏: ラボはオープンに使ってもらうことを意図して設計しました。地域の人たちにぜひ、使っていただきたいと思います。近隣の大学の学生さんたちにも使ってもらいたいですね。小学生が見学に来てくれるのも大歓迎です。コロナ禍ですぐには難しいかもしれませんが、活用できる日を楽しみにしています。

小林氏: 毎年、社員の家族を呼び、ファミリーデーを開催しているのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で実現できませんでした。早く家族全員に見に来てもらいたいです。

源氏: ワークスタイル変革につながるICT設備を導入して、いろいろと試したいと思っています。ステークホルダーにもどんどん新しいオフィスを見に来ていただいて、当社のことを知ってもらいたいですね。

左からウチダエスコ 澤田、北村、小掘

澤田: ICT化は今後も加速していきます。アフターコロナには「テレワークが加速し、オフィスが不要になる」と言っている人もいます。そのような状況下で、オフィスがどうあるべきかは、今後もずっと考えていかなければならないことだと思っています。例えば、会社でも自宅でもないところに「3rdオフィス」を作るようなこともあるかもしれません。大興電子通信様とウチダエスコの両社にとって、Win-Winなるようなことを考えていきたいです。

オフィスは生きもの。時代にあったオフィスづくりはまだまだ続く

Q. 最後に今回のオフィスリニューアルを振り返って、一言ずつ、お願いします。

源氏: オフィスリニューアルを考えている企業様には、いろいろなオフィスを見ることをおすすめします。ぜひ、当社にも見学に来てほしいですね。自慢のオフィスができました。

小林氏: オフィスリニューアルのような大きなプロジェクトは、社内に基本方針を浸透させていくことが重要なのだと感じました。
当社の場合、社長が「社員のボトムアップで取り組み、経営陣は口を出さない」「役員室はなくていい」という方針を提示したことは大きかったと考えています。「社員のためのオフィスにしたい」という経営陣の本気度が伝わったことで、社員全員が本気で取り組んでくれたと思います。

間渕氏: コストをかけ、社員全員の協力を得てオフィスリニューアルに取り組んだことは、70周年だけでなく、その先の100年企業に向けた大きな布石になったと感じています。オフィスリニューアルは、単なる改築や改装ではなく、会社の風土やカルチャーを変える力があります。オフィスは生きものですから、時代にあわせて変えていく必要があります。ウチダエスコには引き続き、新たな提案や協力をお願いしたいです。

北村: 大興電子通信の皆様とは、1年かけて一緒にオフィスを作り上げた印象をもっています。まるで自分が大興電子通信の社員であるかのように、よくこちらにお邪魔していたことを改めて思い出しました。今後も皆様に寄り添い、よりよい環境づくりに貢献していきたいです。

■ 主要プロジェクトメンバー
  • <大興電子通信株式会社>
    間渕剛志氏:理事・コーポレート本部 副本部長
    源栄一氏:インフラビジネス本部 エンジニアリング部 副部長
    小林正樹氏:コーポレート本部 総務グループ チーフ

  • <ウチダエスコ株式会社 オフィスシステム事業部 第1営業部>
    北村典大:営業課 課長(プロジェクトリーダー)
    澤田忠:設計企画課 課長(一級建築士・デザイナー)
    小堀正和:営業課 課長代理(営業担当)
    楠本浩昭:設計企画課(現場管理者)

リフレッシュエリア
Refresh Area

POINT

執務スペースとリフレッシュエリアの雰囲気を分け、気持ちの切り替えがしやすい場になるよう木目調を多く取り入れたデザインにしました。
食事や休憩、ミーティングなど、マルチな空間としてご活用いただけます。

コミュニケーションエリア
Communication Area

POINT

部門間を超えた社内コミュニケーションを活性化させる狙いがあり、執務エリア中央にスペースを設けました。20名以上座れるスペースを確保し、座席を円状にすることで、社員同士の顔が見える、コミュニケーションを意識したデザインにしてます。

ラボ
LAB Space

POINT

「地域の方たちや学生の皆さまにもご利用いただけるスペース」として、多様性のある空間を創りました。可動机を用途に合わせて設置することで、セミナーや講演会、ミーティングやワークショップなど様々なイベントが企画できる空間にしています。

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